04
「ええ、ご依頼通り
彼にすべてお願いしました。
それでよろしかったのですか?」
黒賀谷はソファーに座りながら
どこかへと電話をかけていた。
「...はい、かしこまりました。
彼からの報告は逐一
そちらへお伝えします。
それでは、失礼します」
黒賀谷は電話を切ると立ち上がり
自らの書斎へと入っていった。
「私のためにもしっかりと働いてくれ
松岡柊也くん...」
黒賀谷は机の上に置かれている
先ほどまでこの家にいた男の資料に
目を向けながらそう呟いた。
「あっ、おかえりなさい、松岡さん。
泉課長が新設部署のことで
呼んでましたよ」
「了解。
いつもありがとね、紗英」
黒賀谷の家から自らの職場へと
戻った男、松岡柊也は
元部下であった紗英にそう答えると、
自分を呼んでいるという
泉のもとへと向かった。
Joker ( 2015/12/30(水) 01:01 )