第2章
04
「ええ、ご依頼通り

 彼にすべてお願いしました。

 それでよろしかったのですか?」


黒賀谷はソファーに座りながら

どこかへと電話をかけていた。


「...はい、かしこまりました。

 彼からの報告は逐一

 そちらへお伝えします。

 それでは、失礼します」


黒賀谷は電話を切ると立ち上がり

自らの書斎へと入っていった。


「私のためにもしっかりと働いてくれ

 松岡柊也くん...」


黒賀谷は机の上に置かれている

先ほどまでこの家にいた男の資料に

目を向けながらそう呟いた。




「あっ、おかえりなさい、松岡さん。

 泉課長が新設部署のことで

 呼んでましたよ」


「了解。

 いつもありがとね、紗英」


黒賀谷の家から自らの職場へと

戻った男、松岡柊也は

元部下であった紗英にそう答えると、

自分を呼んでいるという

泉のもとへと向かった。

Joker ( 2015/12/30(水) 01:01 )