第1章
04
次の日の朝...

「ねえ、聞いた?

 遥香さんが

 誰かに襲われたんだって」


「聞いた聞いた。

 でも誰かに助けられたんでしょう」


「いったい誰なんだろうね、

 その助けた人って」



噂話の渦中にいる、

昨夜影と暗殺者に出会った少女、

遥香は1人の男性教師に

呼び出しを受けていた。



「なんで呼ばれたかは

 分かっているよね、遥香さん」


「...」


「あれほど、

 気を付けろって言ったのに」



少女は何も話さず、

目の前にいる男の話を聞き続ける。



「昨日も言ったけど、君は関わっては

 いけない人たちに関わったんだよ」


「...」


「まあ、とりあえず校長も

 君に話があるみたいだから

 一緒に校長室いくよ」



少女は何も言わずに

男の後に続いて

校長室へと入っていった。



「どうも、遥香さん。

 さて、細かい話はあとにして

 結論から伝えましょう」



少女は校長と呼ばれる男の前で

相変わらず何も言わずに立っていた。



「あなたを自宅謹慎とします」



少女の顔色がわずかに変わる。



「あなたはいかなる理由があっても

 関わるべきではない

 人たちに関わり、

 命を狙われるという結果を

 招いてしまいました。

 あなたの命を守るためにも

 あなたには自宅のような

 安全な場所にいてもらうことが

 賢明な選択であると

 いえるでしょう」


「あの...

 いえ、分かりました。

 それで構いません...」



少女は何かを言いかけたが、

何を言っても

状況が変わらないと考え、

その提案を承諾した。

Joker ( 2015/12/06(日) 02:28 )