第1章
10
遥香に抱き閉められた4人は

その行為に遥香の覚悟を感じたのか

それぞれ遥香の身を案ずる言葉をかけ

自らが羽織っていた

スカジャンを脱ぐと

遥香の家から帰っていった。


"由依たちはきっと

分かってくれたと思う。

でも必ず私の身を守るために

関わろうとしてくる。"


「どうすれば由依たちを巻き込まずに

 決着をつけることができるの?」


遥香は1人になってしまった空間で

静かに呟いた。



「遥香はああ言ってたけど、

 みんなは分かってるよな?」


「もちろんです。

 私たちはもう吹奏楽部じゃないけど

 それでも

 遥香さんは守るべき人です」


対して由依たちは遥香の懸念の通り、

彼女を守るために

独自に動こうとしていた。



しかし、この時遥香も由依たちも

気付いていなかった。


彼女たちにこの後訪れる出来事を...

Joker ( 2015/12/20(日) 00:04 )