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第9章
第1話
修学旅行から半月。
あっという間に季節は冬に向かっていた?


理央「寒っ。」
理佐「ホント。あっという間に冬だ。」
愛佳「ね、理央〜私の手、あっためて?」
理央「はいはい。」


愛佳の手を両手で包む。


愛佳「ふふっ、あったかい。ありがとう、理央。」
理央「どういたしまして。…で、理佐は?そんな恐い顔するなって。」
理佐「…私も。」
理央「はいはい。」


同じく手を包みこむ。
少し、機嫌もなおったようだ。


理佐「…ありがとう。」
理央「うん。さ、行こう?」
愛佳「早く建物に入りたい。」



少し行くと、


莉菜「おはよ〜。」
友梨「おはようございます。」
理央「莉菜さん、友梨奈おはよう。」
「「おはよ〜」」


2人とも合流して学校を目指す。


莉菜さんは無事に就職が決まった。
希望通りの所らしく、余程の成績低下がなければ春からは社会人としてスタートする。


そして友梨奈は、


理央「また短くしたな、髪。似合ってるけど。」
友梨「ふふ、頭洗うの楽ですよ。」
愛佳「またファン増えるんじゃない?」
友梨「最近は何もないですよ?理央さん愛を前面に出してるから、女子も寄ってこないし。」
理央「愛とか言うなよ、流石に照れる。」
莉菜「へぇ〜、理央でも照れる事あるんだ〜。」
理央「ありますよ、たまに。」
理佐「たまに、ねえ。」
愛佳「ほ〜う。」


ジト目を向ける理佐と愛佳。


理央「何?2人とも。」
愛佳「最近はオンナに慣れすぎてそんな感情なくなったのかと思ってた。」
理佐「…昔は私の下着見えただけで顔真っ赤にしてたのに…。」
理央「失礼な。てか、理佐も昔の事言わなくていい。ほら、寒いし学校に早く行くぞ。」
莉菜「そんなウブな時代もあったんだね〜。」
友梨「そうですね、意外でした。」
理央「2人まで。」







そして昼休み。生徒会室にて。


友香「…では新しい会長はあかねんにお願いします。」
茜「はい。」
久美「副会長は引き続き理央、そして影ちゃんにお願いするね。書記はふーちゃん、会計は葵にやってもらう。」
「「「「はい」」」」
友香「春に新一年生が入って来たら書記、会計に追加して下さい。」
久美「引退とは言え、私もゆっかーも引き続き協力するから。」
冬「ゆっかーもグミちゃんも推薦で大学内定したもんね。」
茜「ホント良かった。これからもよろしくお願いします、先輩。」


茜が頭を下げると、


友香「でも、あくまでサポートですから。会長のあかねんを中心に進めて下さい。」
茜「先輩達に負けないようにより良い学園を目指して行きます。」
久美「うん、期待してるよ〜。…ところで、理央君。」
理央「何ですか?」


きくさんの視線が俺から鞄に向けられる。


久美「もはや脈絡もない飾り付けね。」
理央「…まあ。」


鞄には様々なキーホルダーやらバッジやらがやたらと付けられている。


冬「修学旅行以降一気に増えたよね。お土産やら、その後のデートやらで。」
茜「そうそう。それが増えるたび…モガ、」
理央「茜、余計な事は言わない。」


茜の口を塞ぎ情報の漏洩を防ごうとしたが、


葵「うわ、会長の目が…、」
優佳「…一歩遅かったみたい…、」
友香「……詳しく説明して下さる?理央。」


ブラック発動したよ…、はぁ…


理央「その、修学旅行後にお土産渡しがてら出掛けたじゃないですか、友香さんと。」
友香「ええ。」
理央「それで、その他の子とも、出掛けまして。」
友香「莉菜ちゃんとか、1年生の子達ですね。」
理央「はい。で、実は他の2年生の子達が『同じの付けよう』と修学旅行で買ったのをドンドン付けられまして…。その鞄を見た莉菜さん達にも…。」
友香「…へぇ。」


ジト目で俺を見る彼女。
背中に冷たい汗が流れている。


その空気を変えるためにも、


理央「もちろん友香さんとお揃いのも付けてますよ。初めてのものだし。」


『初めて』を強調しながら伝えると、


友香「ま、まぁ理央がモテるのは承知してますから…。」


表情を崩す彼女。


葵「…会長って案外チョロいよね。」
優佳「…うん。」
友香「…は、あ、あのあかねんの言いかけた事は、何だったんですか?」
茜「クラスの子が『また増えてる!』って理央の周りで不満そうに言ってて、理央が弁解してるっていう構図が起きてました。」
久美「それはご愁傷様。ま、後ろに伸ばせば伸ばすほどより大変になるだろうね。」


きくさんの言葉で改めて自分の置かれた状況を認識する。


理央「…それは分かってます。もうこれ以上曖昧な態度ではいられない事も。」


真面目にそう答えると、他のメンバーの顔から笑顔が消える。


葵「理央お兄ちゃん…もしかして、」
優佳「…誰か1人を選ぶの?」
友香「………。」
理央「…そう、だね。うん、そうしないと。…俺、戻ります。」



そう言って生徒会室を出た。
友香さんの何とも言えない表情が脳裏に残っていた。


理央「…ふぅ。」


扉に背中を預け1つ息を吐く。


理央「…伝えなきゃ…ちゃんと。」


そう呟き、教室へと歩き始めた。


■筆者メッセージ
また日が空きました。すいません。

hinataです。

暫く書いていなかったせいで中々取り戻せてない感じです。何を偉そうにと思われるかもしれませんが、素人だから余計でしょうね。

リハビリ的なリスタートで申し訳ないですが、よろしくお願いします。

また復活に際しコメントして下さった方ありがとうございます。
引き続き完結まで頑張りますのでお付き合い下さい。
hinata ( 2018/12/24(月) 22:39 )