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第8章
第3話
理央「綺麗だな…。」
愛佳「何、私の事?」
理央「まあ確かにキレイ系だけど、愛佳は。」
愛佳「…ちょっ、照れるんだけど。」
理央「なら聞くな。てか、夜景の話でしょうが、普通に。」


やっと辿り着いた山頂から見る函館の夜景。
東京に比べて空気が澄んでいるせいか、とても綺麗だ。


天気が良かった事もあって、星もハッキリと見える。


将来北海道での生活を夢見る俺としては、この景色や北の大地の自然を満喫しておきたい。

のだが、


佑唯「ねえねえ、じゃあ私は?」

ニコニコしながら問い掛ける佑唯。

理央「ん、何が?」
佑唯「愛佳はキレイ系なんでしょ。私は?」


これ、答えなきゃ終わらないヤツだ。


理央「カワイイ系。」
理佐「…私は?」
理央「え、…キレイ系。」
由依「私はどう?」
理央「う〜ん、…小悪魔系。」
ねる「ねるは?ねる。」
理央「ねるも、小悪魔系かな。ぽんもねるも、男のツボを絶妙に抑えてくるし。」
美愉「…じゃあ私。」
理央「…そうだなぁ…カワイイむっつり系。」
美愉「…ちょっと、私だけテイストおかしい!」


抗議の声を上げる美愉に、小さな声で


理央「…美愉とのえっちが1番ハードだもん。」
美愉「(ボンッ!)」


彼女は顔が真っ赤になって、それ以上は何も言わなかった。


理央「さてと、スマホで夜景って綺麗に写るかな?」
愛佳「私、調べてきたよ。」
理央「ホント?じゃあ教えて。」


愛佳に教えてもらった通りやってみると、


理央「お〜ちゃんと写った。ありがと、愛佳。」
愛佳「お礼はツーショット写メで良いよ。」


そう言って自撮り棒を取り出した。
そして、俺の頬に自分の頬を付けて、


愛佳「撮るよ〜、はい。」


写メを確認した彼女は、


愛佳「ふふ、バッチリ。」


すこぶるご機嫌だ。


理佐「…私も撮る。」
愛佳「ちょっと待って、ご褒美でしょツーショット写メは。」
ねる「偶々愛佳が先に言っただけやけん。みんな調べてきてたと。」
由依「それとも、私達とは撮りたくない?渡邉君。」


あ〜これ、ダメって言えないやつだ。


他の5人とも夜景をバックに写メを撮る。
みんなご機嫌の様なので良しとしよう。


あ、


理央「あのさ、みんなで一緒に撮ってもいい?思い出に。」


そう言うとみんな頷き、固まってくれる。


近くにいたオダナナに撮って貰った。
みんな笑顔のいい写メが撮れた。


それを見ていると、突然LINEの通知が。



開くと、友香さんからだった。


友香『随分と楽しんでるみたいだね。』


何故だか文面から怒りの感情が伝わってくる。何があった?そう思っていると、


再びLINEの通知。
今度は莉菜さんだ。


莉菜『私のいない所でイチャイチャすんな!!』


もしかして…、


理央「なあ、さっき撮った写メ送ったの?」


彼女達の方を向いて問い掛けると、一斉に顔を背ける。


理央「…ふーん。」


やったな。しかも全員が。何故に煽る様な事をしているんだか。


しかたなく俺が返信しようとスマホを見ると、今度は


友梨『理央さん、楽しそうですね?帰ってきたらい〜っぱいお話聞かせてもらいますから。』
菜緒『ウチのおらん所で、はしゃぎ過ぎと違います?』


後輩達から謎のプレッシャーまで。

1つため息をついて、4人に返信する。
…文面は名前以外ほぼ同じだけど、それは許してほしい。


理央『修学旅行は楽しいけど、〇〇の事はちゃんと考えてるよ。お土産もちゃんと買ってくから、帰ったら時間作ってほしい。』


それとなくデートの約束を匂わせておいた。


すると概ね態度を軟化させた返信が戻ってきた。


さてと、何を買って帰ろうかな…。


夜景を眺めながら、結局考えるのは好意を寄せてくれる彼女達の事だった。






理央「で、何のために写メを上げたの?」
愛佳「…ほら、理央の隣は自分が1番似合うでしょって見せたかったというか…。」
理佐「理央って、滅多にツーショット写メ撮らせてくれないし…。」
美愉「…みんな上げたら自分のも上げたいし…。」


その言葉に頷く彼女達。


理央「そう…。まあ、やってしまった事は仕方ないけど、ここにいない人達を煽ったりするのは止めようね?…ていうか、みんなでLINEグループ作ってるの?」
ねる「うん。」
理央「何をするの?そのグループで。」
佑唯「理央君への愛の深さを語り合ってるー!」
由依「…私も最近入ったけど、読んでるこっちが恥ずかしくなるくらいスゴイよ。」
理央「………。」



hinata ( 2018/08/25(土) 06:38 )