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第8章
第2話
理央「やっぱり北海道の食べ物は美味いな。」
悠「そうだな。オマケに体育祭優勝の特典で他のクラスよりワンランク上の食事だし。」
健斗「ああ、理央の激走に感謝だわ。」
理央「俺だけじゃないでしょ。みんなで勝ち取った報酬だよ。」


一度2日間宿泊するホテルに入り、宴会場で全員揃って食事をする。


B組は体育祭の特典により豪勢な食事を堪能した。

他のクラスの生徒も羨ましそうに視線を送る程の。

因みに、悠と桐谷はそれぞれ彼女にお裾分けしていた。
長沢食い過ぎじゃないか?


大体の生徒が食事を終えた頃、澤部センセから、


澤部「じゃあ、19時までにホテルのロビーに集合!バスで函館山へ向かうから、時間厳守だぞ!」
「「「はーい。」」」


部屋に一旦戻り、準備をしていると、部屋のチャイムが鳴る。

因みに1人部屋。これも特典らしい。
他のクラスは2〜3人部屋との事。


ドアを開けると、


理央「理佐?」
理佐「…中に入れて?」
理央「う、うん。」


理佐を部屋の中に入れる。
ドアが閉まった瞬間に抱きつかれる。


理央「どうしたの?」


右手で頭を撫で、左手を腰に回すと一段と背中に回された腕に力が入る。


理佐「…理央不足だから補給しに来た。」
理央「…そっか。じゃあ俺も補給する。」
理佐「え?ん…。」


理佐の唇を奪う。少し長めのキスをして離れると、


理佐「…ふふ、嬉しい。」
理央「今日はこれで我慢して?さ、もう行かないと遅れるぞ。」
理佐「そうだね。他の子に見つかったら大変だし。」
理央「それは勘弁して下さい。」


そんな事を話しながらロビーに向かう。
先生達がロビーに集まっていた事もあって、理佐が俺の部屋に来た事はバレずに済んだ。

まあ、姉弟だからと誤魔化せばなんとかなるとは思うけど。


全クラス人数確認が済んだところでバスに乗り込む。

隣は


理佐「ふふ、隣座るね?」
理央「ああ、どうぞ。」
理佐「楽しみだね、夜景。」
理央「そうだな、函館と言えばコレだし。」


すると、理佐が耳元に口元を寄せ


理佐「…いつかまた来よう。今度は2人きりで。」


俺にしか聞こえない声でそう言った。


俺は理佐の手を握り、小さく頷く。


その反応に、握った手に反対の手を乗せ肩に頭を乗せた。


理佐「…約束だからね?」


呟くように発した言葉。
その態勢のまま、バスは走り出す。






澤部「よし、ロープウェイに乗るぞー!最初はA組、B組、C組の半分が乗って!」


ゾロゾロと乗り込むと、気付けば俺の周りは彼女達に囲まれていた。


理央「…俺、痴漢される人みたい。」
愛佳「する訳ないじゃん!」


そんな冗談を言っていると、俺の下半身を撫でる手が。


危うく声が出そうになるのを抑えて、その手を掴むと、


由依「…あ、」


俺の左横にいた由依だった。
顔を見ると、悪戯っぽい笑みを浮かべていた。


理央「こら、ぽん。」
由依「…ふふ、バレちゃった。」
佑唯「どうしたの〜?」
理央「いや、何でも。」
美愉「…ゆいぽんの手、どうして掴んでるの?」


美愉に見つかってしまう。
他の子達の視線が集まる。


理央「…えーっと、ぽんが高い所と狭い所が苦手らしくて、俺のブレザーの袖掴んでたから。」
佑唯「そうなの、ゆいぽん?初耳だけど。」
由依「…う、うん。実は…。」
ねる「ねるも苦手やけん、手握って良か?」
愛佳「えーズルい、私も。」
美愉「…私もしたい。」
理佐「ちょっと、みんなして何言ってるの。」
理央「理佐…。」


この展開を止めてくれるのか?
ちょっと期待していると、


俺に抱きつく理佐。


理佐「…頂上に着くまでは理央の隣は私のポジションでしょ?」


何でやねん!…というツッコミを頭の中でするものの、上目遣いの理佐に何も言えなかった。






…他の5人のブーイングは酷かったけど。


茜「相変わらず大変だね〜。」
冬「仕方ないよ、今日まで誰か1人に決められなかったんだし。覚悟の上でしょ、本人も。」


hinata ( 2018/08/22(水) 08:04 )