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第7章
第35話
翌日。


理央「行って来るね。」
理佐「………。」
理央「何?」
理佐「…鈴本と何するの?」
理央「…カラオケは行くのは確定だけど。後は決めてない。」


そう返事をすると、


理佐「へえ。…今日帰ったら、また…一緒に寝てもいい?」
理央「…寝るだけなら。」
理佐「…何で?」


さすがにこのところ行為をし過ぎで疲れが溜まっている。
でもそうは言えないので、


理央「理佐の香りが落ち着くし、明日からまた学校だし、ゆっくり寝たい。もし、それ以上がお望みなら部屋に入れな…、」
理佐「それでいい!…いってらっしゃい。」
理央「うん、じゃあ行ってきます。」


何とか切り抜けて家を出る。





約束の時間の15分ほど前に待ち合わせの場所に到着する。


スマホを弄りながら待っていると、


美愉「…お待たせ、理央。」
理央「あ、おはよう美愉。…なんかスゴく女子っぽいな。」


ガーリーな服装で現れた美愉に少し驚く。
イメージ的には愛佳と似たような系統を着て来ると思ってたし。


美愉「…せっかくのデートだから、甘めの服の方が理央喜ぶかと思って…。でも似合わないかなぁ。」


そんな事言わせてしまって、少し反省しながら頭に手を乗せる。


理央「いや、似合ってるし可愛いし。俺の事考えて選んでくれたんでしょ?ありがとう、美愉。」


頭をポンポンしながらそう言うと、少し頬を赤くして、


美愉「…ううん、嬉しい。」


はにかみながら答えた。
だけど1つだけ気になるので、耳元で呟く。


理央「…美愉、胸強調されてるから、他の男に見られたくないし、鞄の掛け方変えて貰っていい?」
美愉「…へ、あ…、」


そう言うと耳まで赤くなる彼女。
肩掛けバッグでいわゆるパイスラになっていて、美愉の胸が余計に目立ってしまう。


美愉「…分かった。ありがとう、気を遣ってくれて。」
理央「…ううん、変な独占欲だよ。他の男にイヤラシイ目で見られたくないっていう。」
美愉「…そう思ってくれるのが嬉しいの。…行こ?」
理央「うん。」


彼女はバッグを掛け直し、俺の腕に自分の腕を回す。


すると、まあ彼女の胸が当たってしまう訳で、


理央「…当たってますけど?」
美愉「…ふふ、当ててるんだもん。」


照れた表情を見せながらもそう返す彼女。


美愉「…今日は理央に独占される日だから。」
理央「そんな事言われると理性を抑えるの大変なんだけど。」
美愉「…まだ午前中だし後でね?」


そんな事言われると健全な男子は期待してしまう訳で、とりあえず今は腕に当たる柔らかい感触に反応しないよう理性を保つ。


最初は美愉が服を見たいという事で、彼女がよく行くという店に向かう。


美愉「…理央。」
理央「ん?」
美愉「…理央はどんなのが好み?」
理央「…ん〜そうだなぁ。あまり露出が多いのはイヤかな。その子に合った服装であれば
特別好みっていうのは…。」
美愉「…じゃあ、私に合いそうな服選んで?」
理央「良いけど文句はナシでね。」
美愉「…うん。」


彼女の服を選ぶために、色々見て回る。
美愉が着ているイメージをしながら真剣に選んでみた。


理央「これでどうかな?」
美愉「…じゃあ試着してくる。」


彼女は俺から服を受け取り試着室に入った。


少しして、試着室のドアが開く。


美愉「…どう?」
理央「…俺が選んだのに聞く?美愉的には?」
美愉「…ふふ、理央が選んでくれたのだからそれだけで嬉しいよ?結構お気に入り。」


そう言って笑顔を見せてくれた彼女。


理央「なら一安心。」
美愉「…じゃあこれ買おうっと。着替えるから待ってて。」




美愉「…お待たせ。」
理央「全然。じゃあ貸して。」
美愉「あ、」


試着室から出てきた彼女の手にある服をスッと持ってレジに向かう。


「彼女さんにプレゼントですか?」
理央「はい。」
美愉「………。」


照れた表情を見せながらも何となく嬉しそうな彼女。


店を出て、彼女に買った服を渡す。


美愉「…ありがとう。カップルに見えるのかな?」
理央「多分ね。俺も今日はそのつもりでいたし。」
美愉「…ふふ、嬉しい。」


再び俺の腕に自分の腕を絡ませる。

さっきよりも身体を密着させながら。


理央「…なんかいつになく積極的じゃない?」
美愉「…だってずっと楽しみだったし…、他の子とも相変わらず仲良くしてるみたいだし…。私も頑張らないと。」


美愉にそこまで言わせてしまうのは申し訳なく感じ、自由な右手で頭を撫でる。



理央「…そっか。…じゃあこのままカラオケがてらそこで昼も食べちゃおうか。」
美愉「…うん。」









一通り頼んで、すぐに歌わずに美愉と話をする、が…


理央「…で、店員さんがいなくなって早々この体勢?」
美愉「…ダメ?」


俺の膝の上に対面して座る彼女。
腕は俺の首に回されていて、座っているというより抱きついていると言った方が的確だと思う。


理央「ダメじゃないよ。…美愉、キスしても良い?」
美愉「…う、うん。」


カラオケボックスで2人きりという事もあり、濃厚な方のキスをする。


…彼女のせいで色々我慢し続けた欲望をぶつけるように。


美愉「…はぁ…激しい。」
理央「…ずっと理性で押さえつけてたから。」
美愉「…じゃあもっとする?」


頬を染め、目が潤んだ彼女の言葉に


理央「…どうしようかな。…もしかして学校でエッチしたから普通のなんて出来なくなった?」
美愉「………。」


耳まで赤くした彼女。
俺は耳元で、


理央「…なんてね。でも、後で良い?」


彼女は、そっと頷いた。



hinata ( 2018/08/11(土) 21:35 )