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第7章
第22話
学園祭も無事全ての日程を終了し、現在教室にて後片付けの真っ最中。


愛佳「…終わったね。」
理佐「…今日も疲れた。」
冬「そう言えばさ、メイドさんの1番人気は誰だったの?男装は愛佳が1番だったみたいだけど。」
佑唯「え〜、いいよそんなの確認しなくて〜。」
美波「せやで。どうせウチやないし。」
梨香「私でもない。」


やんわりと公表を拒否するメイド達。
しかし、由依が俺のそばに寄って来て、


由依「…もし1番だったら渡邉君、ご褒美くれる?」
理央「えっ?…そうだなぁ、パンケーキその子に作ってあげるよ。」


そう言うと、後ろから


ねる「食べさせてくれるのもセットやけんね。」
理央「ええっ?」
理佐「…なら聞く。あかねん、教えて。」
佑唯「じゃあ私も!」


どうやら俺の意思は関係ないらしい。
一斉に茜を見る4人。


茜「おぜとみぃちゃんはどうする?」
梨香「え〜、どうする?」
美波「あれやろ?1番だけやろ、発表するんは?」
茜「うん。」
美波「ならええんちゃう?な、尾関。」
梨香「う、うん。じゃあどうぞ。」
茜「1番人気は…、」














ねる「ふっふ〜ん。」
理央「ご機嫌だな、ねるさん。」
ねる「当たり前、理央からのご褒美あるけんね。」


1番はねるだったらしく、名前を呼ばれた瞬間に俺に抱きついて来た。
(まあ、直ぐに理佐や愛佳達に引き剥がされていたが)


愛佳「ねえ、男装の方は私だったらしいから私にもご褒美頂戴?」
理央「愛佳も?うん、いいよ。じゃあ2人とも家庭科室に行くか。片付け終わったし、器具は向こうへ運んじゃったから。」
ねる「はーい。」
愛佳「うん。」


俺達が教室から出ると、


理佐「…悔しい。」
佑唯「はぁ…。」
由依「…良いなぁ。」
茜「仕方ないよ。メイドはほとんど差はなかったもん。みんなねると1〜2人以内くらいだよ。」
美愉「…私、そもそも対象になってない。」


そんな話をしていると、


理佐「…そう言ってもさ、鈴本、理央とデートの約束したんでしょ?」
美愉「!!」
佑唯「そうなんだ〜。良いなぁ〜、すずもん。」
理佐「…ずみことぽんだってバンドの打ち上げするんだよね?」
由依「…う、うん。」
佑唯「な、何で知ってるの?理佐。」


理佐はニヤっと笑い、


理佐「…家族で、双子だもん。何でも知ってるよ?」


得意げにそう言うと、由依の反撃を受ける。


由依「…どうせ昨日の夜、渡邉君に口を割らせたんでしょ?」
美愉「…朝、理央が疲れた顔してたのって理佐のせい?」
佑唯「…ヤラシイ事とかしてたんじゃ…?」
理佐「………。」


理佐は視線を逸らした。


茜「ちょっとストップ!こんな時間にみんなの前でそんな話しない!」
「「「「………すいません。」」」」








理央「よし、完成っと。」
愛佳「お〜、美味しそう。」
ねる「味見しか出来んかったけん、いっぱい食べたかった〜。」


2人がニコニコしながら完成したパンケーキを見ている。


ねる「じゃあ、約束通り…理央、食べさせて。」
理央「ホントに?」
愛佳「男に二言はないよね?」
理央「イヤ、そもそも言ってないし。」
ねる「…そんなにイヤ?」
愛佳「…してくれないの?」


淋しそうな目を向ける2人。
その目はズルい。


理央「…はぁ。じゃあどちらからですか?」
愛佳「私!」
ねる「…ジャンケン負けたけん、仕方なか。」
理央「じゃあ愛佳、あーん。」
愛佳「…んっ、…美味しい。」
理央「良かった。じゃあ次、ねる。」
ねる「あーん、ん、…うん、おいひぃ。」


順番に2人の口へパンケーキを運ぶ。


ねる「ね、理央も食べん?」
理央「ん?イヤ2人に作ったものだし、いいよ俺は。」
ねる「いいから、はいフォーク貸して。はい、あーん。」
理央「う、うん。あーん。」


うん、バッチリだな。


すると、


愛佳「次は私がやる。理央、あーん。」
理央「あ、あぁ。あーん、ん?」


愛佳に鼻にクリームをつけられた。


理央「ちょっと愛佳?」


指でクリームを取ろうとすると、愛佳に手を抑えられ、


愛佳「取ってあげる。」
理央「んっ!?」
ねる「あ〜!?」


愛佳は鼻についたクリームを舐めて取った。


ねる「愛佳、何しとると?」
愛佳「ヘッヘ〜。キレイになったよ、理央。」
ねる「…理央。」
理央「ちょっとねる、大っきくない?」
ねる「あーん。」
理央「んんっ!?」


大きく切られたパンケーキを口に入れられたので、口の周りにクリームが付いた。


ねる「あ、キレイにするけんね?」
理央「んんっ?」
愛佳「あっ!?ねる!」


今度は口の周りのクリームをねるに舐め取られる。


愛佳「何してるの?ねる。」
ねる「先にしたのは愛佳やけんね?」
理央「はい、ストップー。ケンカするなら終了でーす。」
「「…ゴメン(なさい)。」」




食べ終わって、食器を片付けていると、


ねる「…理央。」
理央「ん、何?」
ねる「今日この後の予定は?」
理央「ん〜、生徒会の片付けと、最優秀クラスの投票の集計がある。」
愛佳「忙しいね。だから、生徒会入るの反対したのに〜。」
ねる「何時くらい?」
理央「多分、7時かな?」
ねる「図書室で待っとるけん、一緒に帰ろ?」
愛佳「あっ、ズルいぞねる。」
ねる「こういうのは早い者勝ちじゃなか?」
愛佳「うう〜。」


2人のやりとりに苦笑いしながら、


理央「愛佳はまた今度な。じゃあねる、少し待たせるけど、いい?」
ねる「待つのも恋愛の楽しみの1つやけんね。」
愛佳「ちぇっ、仕方ない。理佐と帰るか。」


さて、生徒会の仕事、急いで片付けないと。


■筆者メッセージ
3期生久保さんの休養が発表されましたね。

ピンでテレビ出演したこの日に発表されるとは驚きです。

しっかり回復してまた元気に活動して欲しいですね。

そう言えば、北野さんはバースデーライブに出るんでしょうか。

復帰を匂わす感じだし、彼女の明るい笑顔が見たいですね。

さて、閲覧数が15万を超えました。
最近は更新速度も落ちてますし、読んで頂いてる方には申し訳なく思っておりますが、何とか続けて行くつもりです。

引き続きお付き合い頂きますようお願い致します。

ではまた。
hinata ( 2018/06/30(土) 22:16 )