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第7章
第20話
理央「何かあった?2人とも。」
友梨「初めて聞きました。理央さんの歌。」
菜緒「メッチャ上手かったです。」
友梨「カッコ良かったです。」
理央「ありがとう。…それを伝えるためにわざわざ?」


そう言うと、菜緒ちゃんが満面の笑顔で


菜緒「あの、今度デートして下さい。カラオケ行きたいです。理央センパイの歌もっと聞きたいです。」
理央「それは全然構わないけど…。それで友梨奈はどうしたの?」


菜緒ちゃんの話の時、やや不満そうな顔をしていた。


友梨「…小坂ちゃん、理央さん私も一緒していい?」
菜緒「えっ?!何でなん?普通デートって2人やろ。」
友梨「イイじゃん。それに、私が居たら何か問題ある?」
菜緒「大ありやろ?自分かてデートに他の子付いてきたらイヤやろ?」
友梨「でも小坂ちゃんは理央さんの事、お兄ちゃんみたいな感じだって言ってたでしょ?」
菜緒「う…そ、そうは言うたけど。」
友梨「それとも気が変わった?」


冷静に菜緒ちゃんを追い詰める友梨奈。
凹みそうな雰囲気になってきたので、


理央「友梨奈。」
友梨「はい。」
理央「土曜日、バイトの後は暇?」
友梨「は、はい。大丈夫です。」
理央「バイト終わったら一緒に遊ぼうか。」
友梨「はい!」
理央「菜緒ちゃん。」
菜緒「は、はい。」
理央「明後日の月曜日、空いてる?」
菜緒「空いてます。」
理央「じゃあその日、出掛けよう。友梨奈もその日はガマンな。」
菜緒「ありがとうございます!」
友梨「は〜い。」


そんな2人の頭を撫でる。


理央「よし、良い子だ。ほら、明日の準備もあるでしょ?さ、クラスに戻りな?」
「「はい!」」


笑顔で手を振って体育館を出て行く2人を見送る。が、


何だか寒気がする。そ〜っと振り向くと、


友香「………。」


久しぶりに黒いオーラの出ている友香さん。


理央「…さ、掃除しなきゃ…」
友香「…デートするんだ。」
理央「…ええ、まあ。」
友香「…………。」


ジト目と黒いオーラで俺を圧倒する。


理央「…分かりました。バイトのない平日でも良ければ…。」
友香「それで結構です。」


途端に笑顔になった友香さん。


友香「楽しみにしてますね?」


鼻歌を歌いながら作業に戻る彼女。
それを見ながら後輩の2人が寄って来た。


葵「大変ですね、理央先輩。」
優佳「頑張って下さい、色々。」
理央「はは、まあね、ありがと。やっぱり2人は良い子だなぁ。」


2人の頭を撫でる。


優佳「えへへ。」
葵「やった〜。」


茜「ほら3人ともサボってない!」
「「「はいっ!!」」」


軍曹の檄が飛んで来ました。






作業を終えるとすぐに家庭科室に向かう。


理央「遅れてゴメン。」
美愉「…あ、理央。」
菜々「お疲れ〜。」
理央「作業の方は?」
美愉「…うん、順調。カレーの用意がない分、みんなでオムライスの材料準備してるから。」
菜々「パンケーキの方はどうする?」
理央「そうだな…。果物だけは切って置くかな。クリームと生地は朝だけど。」
美愉「…じゃあ私も手伝う。菜々香はオムライスの方お願い。」
菜々「は〜い。」


2人で果物に包丁を入れる。


理央「ダンス、スゴかった。カッコ良すぎだわ。」
美愉「…あ、ありがと。」
理央「今回のNo.1だったんじゃないかって、生徒会のメンバーで話してたんだ。」
美愉「…そう思ってもらえたなら、頑張った甲斐があった。…理央、あんなに歌上手かったんだ。」
理央「あ、ああどうも。」
美愉「…会長とのミュージカル。」
理央「う、うん。」
美愉「…会長が羨ましかった。ゆいちゃんずと歌ってる理央もカッコ良かった。…デートの時、理央の歌聞かせて?」
理央「…いいよ。」


そんな話をしていると、


菜々「ねえ。」
理央「うわっ!?」
美愉「えっ!?」


背後から長沢に話しかけられる。


菜々「良い雰囲気のところ悪いんだけど、」
美愉「…そんな事ない。」
菜々「それはともかく、今日の様子だと100食ずつで足りるかみんな心配してるけど、どうする?」
美愉「…う〜ん。」


確かに今日の客足を考えると、トータル300食でも足りない可能性もある。…けど、


理央「いや、そのままで行こうよ。」
美愉「…理央。」
菜々「どうして?」
理央「それ以上は調理班も負担が大きいし、接客だってサービスが悪くなるかもしれないし。ステージ発表で抜ける人がいる事考えると100食ずつはギリギリだと思う。」
菜々「確かに。」
理央「休憩する時間も無いんじゃせっかくの学園祭を楽しめないよ。だから、」
美愉「…理央の言う通り、そのままで行こう。で、美味しい料理をしっかり出して行こう。」
菜々「分かった。」


メンバーもその意見に同意してくれて、無事に準備は終了した。


さあ、明日も忙しくなるぞ〜。






理佐「…ちょっと、色々聞きたい事あるんだけど?」


家に帰って待っていたのは、双子の姉の尋問でした。



■筆者メッセージ
W杯真っ只中ですが、起きてられません。

どうもhinataです。

だらだらと学園祭編が続いております。

一応あと数話で終わる予定です。
さほど話が進みませんけど、お付き合い頂けたら幸いです。

ではまた。
hinata ( 2018/06/21(木) 22:04 )