第17話
着替えを終えて、きくさんと司会を交代する。
久「良かったよ〜美女と野獣。これでまた理央君の人気が上がっちゃうね、ね、ゆっかー?」
友香「…それは困る。」
眉間にしわを寄せてボソッと呟いた友香さん。
葵「でも、まるで恋人同士みたいだったから、むしろ諦めた子もいるんじゃないですか?」
冬「いやぁ、見つめあってたシーン、キスでもしちゃうんじゃないかってくらい良い雰囲気だったよ。」
理央「公衆の面前でするか!」
優佳「でも、前の方で険しい顔した方も結構いましたよ?」
茜「あ〜、愛佳や理佐達でしょ?風紀委員会の壁を作っておいて良かったかも。ステージに乗り込む勢いだったもん。」
理央「………。」
ちょっとリアル…。
後で色々言われそうだな。
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この次は美愉や冬優花達のダンス。
紹介を終え、音楽が流れる。
4人のキレッキレのダンスで会場は大きく沸く。真剣な表情で踊る彼女達に目を奪われた。
理央「カッコイイ…。」
茜「ホント、普段の鈴本とか土生ちゃんとのギャップがスゴイよね。虹花もおバカ発言とかする時の顔とは別人みたい。」
理央「冬優花も良い顔してるな。ホントダンスが好きなの伝わる。」
茜「ふーちゃんに惚れちゃう?」
ニヤニヤしながらそう言う茜。
理央「う〜ん、そういう目で見てないし。信頼のおける仲間だから、冬優花も茜も。」
茜「ふふっ、ありがと。」
久「全く、発言もイケメンだわ。」
優佳「じゃあ、私達はどうですか?」
葵「うん!気になる〜。」
1年生コンビが目をキラキラさせて聞いてきた。
理央「2人は〜、仲間って言うより妹にしたい。良い子だし、妹として愛でたい。」
葵「えへへ〜。」
優佳「うふふ。」
友香「…ロリコン?」
まさかの低音ボイスで問いかけてくる。
いや、2人にも失礼じゃない?
理央「違います。」
久「ゆっかーの口からそんな言葉が出るなんて…。」
茜「年下好きだったら困るもんね?」
友香「はっ!?ゴメンね、葵ちゃん、影ちゃん。」
理央「…ちゃんと冬優花達のダンス見ましょう?」
目を離さずに口を動かしていたが、しっかり見たいので会話を制した。
ワァーーー!!!
4人のダンスに大きな歓声と拍手が上がる。
しっかりお辞儀をした後、手を振ってステージ脇に捌ける彼女達は満面の笑みを浮かべていた。
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冬「戻りました〜。」
理央「お疲れ様、冬優花。」
茜「ふーちゃん、理央が惚れ直したって。」
冬「ヤダ〜!もうっ!!」
にやけた表情の冬優花に腕を思っ切り叩かれる。
理央「痛えっ!?何も言ってないぞ、俺。」
冬「え?あ、ゴメン。」
理央「でも、格好良かった。今回出てるチームの中で1番だったんじゃない?」
冬「ありがと。美愉にも言ってあげて?喜ぶから。」
茜「ちょっ、ふーちゃん。」
冬「え?」
友香「………。」
眉間にしわを寄せてわざとらしくステージに視線を送る友香さん。
久「いい加減その顔やめなさい。好きな人の前でしょ?」
友香「…グミちゃん…う、うん。」
眉毛を八の字にする友香さん。
何だか可愛らしい。
理央「怒った顔より断然可愛いですよ。」
友香「えっ!?あ、あの、…ありがとう。」
友香さんの機嫌も直ったところで、
理央「じゃあきくさん、後はお願いします。」
久「ああ、了解。」
俺は生徒会の席を離れる。
すでにステージ上では軽音部の演奏が始まっていた。
茜「結局内緒だったけど、もしかして何かサプライズで出てくるのかな?」
優佳「そうかもしれませんね。残りは、軽音部と演劇部だからどちらかに出てくるんじゃ…。」
葵「どっちにしても楽しみです!」