4話
理央「….ちょっと忙しすぎだろ?」
友「…ですね。」
やっと最後の客が店を出た午後8時15分。
俺達はグッタリしていた。
美「2人ともお疲れ様〜。何も食べられなかったでしょ〜。賄い作ったから食べなさい。」
あれだけ忙しかったにも関わらず、変わらぬ笑顔の美彩さんが、和風パスタを用意してくれた。
理央「ありがとうございます。頂きます。」
友「頂きます。」
遅めの夕食にありつきひと段落ついた後、
美「さ、後片付けは私がやるから2人とも着替えて帰りなさい。」
理央「え、俺達もやりますよ。」
友「はい。まだやる事ありますよ?」
美「だ〜め。高校生は9時までに帰宅させるルールです。理央も平手ちゃんも明日もまたよろしくね〜。」
理央「分かりました。すいませんお先に失礼します。てち先に着替えて。」
友「は、はい。じゃあお言葉に甘えて。」
てちが足早にロッカールームに向かう。
理央「てちが着替え終わるまで手伝います。」
美「ふふ、ありがとう。」
テーブルを拭いていると、美彩さんに話しかけられる。
美「理央は彼女作らないの?」
理央「急に何ですか?」
美「夕方来る欅学園の女の子、半分は平手ちゃんのファンだけど、もう半分はあんたに会いに来てるわよ?」
理央「そうなんですか?全然分からなかったです。」
美「さては、もう本命の子がいるからかな〜?」
理央「…そんなのいないです。」
美「なんだつまらないの〜。もし、そういう子が出来たらお姉さんにちゃ〜んと教えるのよ。」
理央「…もし出来たら。」
そんな話をしているうちに、
友「…理央さんお待たせしました。」
理央「ああ。美彩さん、すいません。俺も着替えて来ます。」
美「うん、手伝ってくれてありがとう。」
俺が姿を消すと、
美「今の聞いてた?」
友「…はい。」
美「難攻不落よ、理央は。」
友「わかってます。それでも…。」
美「ふふ、やっぱり女の子ね平手ちゃんも。みさも応援してるからね。」
友「ありがとうございます。」
てちが俺にそんな感情を抱いている事に全く気付いていなかった。