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第1章
21話


月曜日、朝礼で生徒会副会長就任が発表される。


友香「欅学園も共学となり3年目です。男女共により良い学園にするための新たなスタートにしたいと思います。では、渡邉君、一言挨拶を。」
理央「俺は立派な人間じゃないです。特別な事も出来ないです。ただ、俺の周りにいる人達がこの学園で良かった、そう思えるように頑張って行こうと思います。よろしくお願いします。」
久「以上で生徒会からの報告を終わります。」




理央「あー緊張した。」
冬「そう?しっかり話せてたし凄いと思ったよ。」
葵「そうですよー。カッコ良かったです渡邉先輩。」
理央「そう?それはありがとう葵ちゃん。」
茜「ところでさ、何で葵だけ葵ちゃんなの?」
理央「別に深い意味はないけど?強いて言うなら葵ちゃんって呼びたくなる感じだから?」
冬「なら私達もあだ名か名前で呼んでよ。」
優「そうですよ。葵ちゃんだけズルいです。」
理央「ええ?じゃあ、優佳ちゃんで良い?」
優「はい。」
理央「じゃあ会長は…ゆうか被りしてるし…『菅井様』で。」
友香「ちょっとそれは…、」
理央「俺は学園の執事として菅井様にお仕えするのだとばかり…。」
友香「もう、そんなご冗談を…。」
久「ふふふ、良いじゃないそれで。なら私は?」
理央「副会長は…『きく』さんで。」
茜「ささきくみの『きく』ね。じゃあ私、私は?」
理央「そうだな、守屋は『軍曹』で良くないか?」
茜「それはイヤ。名前にしてよ、せめて。」
理央「分かった分かった。じゃあ茜と冬優花で良い?」

2人とも頷いた。


理央「じゃあ俺も理央でお願いします。」
友香「では理央君、早速今日の昼休みから体育祭に向けた準備を進めますから生徒会室集合で。出来るだけ時間を確保したいので食事持参で。」
理央「分かりました。じゃあまた昼休みに。」







茜「理央ー。生徒会室行くよー。」
理央「ああ、今行く。理佐、愛佳、生徒会の打合せあるから今日は一緒に飯食えないから。」
理佐「分かった。頑張って。」
理央「ありがと。じゃあ。」


俺が茜、冬優花と教室を出た後、


愛「理佐、ホントに良かったの?理央が生徒会に入っても。」
理佐「理央は理央だし。立場で何か変わる訳じゃないし。」
愛「それはそうだけど…。」
理佐「陸上辞めてから、何かに一生懸命な理央を見る事もなかったから。」
愛「真剣な顔した理央はカッコイイもんねー。」
理佐「…うん。で、愛佳。私に言う事ない?」
愛「えっ?…やっぱりバレたか〜。イイじゃん、私も理央の事好きなんだから。」
理佐「…愛佳でも譲らないけどね。」
愛「譲ってもらうものじゃないし。負けないから、私も。」
「「ふふふ」」


俺の知らないところで、女の闘いの火蓋が静かに切られていた。







久「じゃあ今日の打合せはこれで終わります。」
「「「はい」」」
理央「…なあ、冬優花。」
冬「何?」
理央「…菅井様って大食い?」
冬「うん。痩せの大食いってやつ?あちゃもだけど。」


2人の持ってきた弁当箱のサイズは俺の倍以上はあるものだった。


友香「理央君どうかしましたか?」
理央「あ、いや菅井様は昼ご飯もお付きのシェフや爺やが用意した温かい食事をするのかと思ってました。ナイフとフォーク使って。」


そう言うと他のメンバーがクスクスと笑う。


友香「やめてください。私、そんなお嬢様じゃないですから。」
久「何言ってるのゆっかー。軽井沢に別荘があるような家の娘がお嬢様じゃなかったら、誰がお嬢様なの?」
理央「本当ですか、きくさん。それは凄いっすね。」
茜「春休みに生徒会合宿やった時に別荘を提供して貰ったんだ。写真もあるよ。」


スマホに写し出された写メを見ると、溜め息しか出ない。


理央「住む世界が違いますね。さすが菅井様。」
冬「ゆっかーの事こんなにイジるなんてやるね理央。」
理央「そうか?でも菅井様は優しそうだから怒らないかなーと思って。いつもニコニコしてるし。」
友香「やだもうー。」
久「何満更でもない顔してるの?」
葵「やっぱり理央先輩はたらしですね。平手ちゃんが言ってました。私もそう思います。」
理央「そうかな?全く自覚はないけど。…ところで、葵ちゃんはおしゃべりな女の子なのかな?」
葵「えっ?そんな事は…。」
茜「あるよね。『ねえ聞いて聞いてー』が口癖だもんね。」
優「はい。放っておいたらいつまでも喋ってます。」
葵「ちょっとみんなヒドいー。」


頬を膨らませて不満をアピールする葵ちゃん。
なんか微笑ましい。こんな妹欲しいかも、とちょっと思った。


理央「この間のここでの出来事、事細かに友梨奈に話したんでしょ?」
葵「えっ、あのー…はい。」
冬「ああ、理央が帰った後すこぶるご機嫌だったもんねー、葵。」
葵「ねえふーちゃんやめてよー。でも、影ちゃんだって言ってたでしょー。『私もして欲しかったー』って。」
優「葵ちゃん!何で理央先輩いる前で言うの?」
葵「私ばっかり言われて恥ずかしいでしょー。それに理央先輩1年生の女子に人気あるんですよ。だから生徒会が一緒で羨ましいっていっぱい言われました。」
久「3年でもマーブルに通ってる女子は半分くらい理央君目当てって聞いたよ。」


何これ、ある意味辱めを受けてるんじゃないか?


理央「でも、告白なんて全然されないですよ。」
冬「それはそうよ。いつもザ・クールといるし、中々近寄れないって。」
理央「そういうもんなのかな?双子の姉と幼馴染なんだけど。」
茜「ま、あの2人も結構告白されてるらしいけど、全て断ってるって言うし。そばにあんたがいるんじゃ勝ち目ないよね。並の男じゃ。」
理央「………。」


気付いたら俺がイジられているのか?


取りあえず話を戻そう。


理央「葵ちゃん。とにかく友梨奈に余計な事吹き込まないでくれるかな?バイトは平和かつ仲良くやりたいからさ。」
葵「どうしようかなー。でも平手ちゃんも色々聞いてくるんですよね。」
理央「そこはさ、同じ生徒会の仲間として配慮してくれない?」
葵「じゃあこの間みたく頭をポンポンしてくれませんか?そしたら話しません。約束します。」
理央「ええ〜。…約束だからな。」
葵「はい。」


止むを得ず立ち上がり葵ちゃんのそばへ行き頭をポンポンした。


その後優佳ちゃんにもお願いされ、する事に。


これで平和ならいいか。







マーブルにて。


友梨「…また今日も葵の頭ポンポンしたんですってね。葵が嬉しそうに話してくれましたけど。」


…やっぱりやめておけば良かったかも、生徒会入るの。


■筆者メッセージ
ふと思う。青春とはなんぞやと。
部活に明け暮れた日々。大して恋をしてこなかったあの頃。

今日の高校サッカーとバレーの決勝をやっていて昔を思い出してしまいました。

hinataです。

何だか輝く高校生が羨ましいと思ってしまいました。

どうでも良いですね。とりあえず更新します。


ではまた。
hinata ( 2018/01/08(月) 18:02 )