No.1
み「ねえ未央奈〜。」
未「どうしたの?」
み「この間から担当になった神代さん、どう思う?」
未「シンジさんの事?」
み「えっ、未央奈もう名前で呼ぶ仲なの?」
未「ふふふ、内緒〜。」
み「え〜教えてよ〜。」
私、星野みなみには気になっている人がいるんです。
その人の名前は神代シンジさん。最近乃木坂46のマネージャーになりました。
かずみんの彼氏である航さんがもう少し立場が偉くなったとかで採用されたみたい。
かずみんやなぁちゃんは航さんと仕事で会う回数が減って残念がっていた。
…かずみんはプライベートで会ってるからいいじゃんと思うけど…。
この神代さん、結構なイケメンで航さんに負けず劣らず優しい人。すでに未成年メンバーは懐いていて、あの絢音や琴子ですらニコニコしながら話しかけているくらい。
琴子曰く、『声が素敵ですよ!あの声で名前呼ばれたいです〜。』とのこと。
だけどみなみは話をするチャンスがなかったからまだ打ち解けられていない。どうしたらいいかなぁ〜と考えていると、未央奈に声をかけられる。
未「みなみ、シンジさん来たよ。」
み「えっ?」
ドアの方を振り向くと、神代さんが控え室に入って来ていた。
シ「失礼します。あの、星野さん少しよろしいですか?」
み「えっみなみ?」
神代さんに呼ばれ慌てて立ち上がると、隣の未央奈がニヤニヤしながら、
未「ほら、仲良くなるチャンスだよ。」
と言われ顔が熱くなるのを感じながら彼の側に行く。
み「神代さん何ですか?」
シ「ちょっと言いにくいのですが、番組スタッフから星野さんだけアンケート出して頂けてないので催促してほしいと言われまして。」
み「あ、えっと、ごめんなさい。思いつかなくて…。」
シ「…そうですか。できれば今日の乃木中の収録が終わるまでにお願いしたいとのことなんですが…。」
み「今日ですか?」
シ「はい。」
どうしよう…。困ったみなみがうなっていると、
シ「では私もお手伝いしますから空き時間にやってしまいましょう。」
み「本当ですか?」
シ「はい。ではすぐ始めますか。あ、堀さん席お借りできますか?」
さっきみなみがいた席の隣に座る未央奈に声をかける彼。
未「いいですよシンジさん。」
シ「すいません。星野さん座って下さい。」
み「はい。」
スッと席を立ち、みなみの方に足を向ける未央奈が耳元で、
未「…アンケート書かないのもたまには悪くないのかな?」
み「もう。」
ニヤニヤしながらそう告げた未央奈に口を尖らせて見せたものの、彼と親密になれるチャンスに思わず頬が緩んでしまっていた。
でも、
シ「星野さんはいつもアンケート出してないんですね。」
み「えっ?」
シ「番組スタッフさんから『星野さんが出してくれるのはプレゼントは何がいい?とかの現金なアンケートだけなんです。』って言われました。」
み「………。」
何て話をされてしまい、恥ずかしくて俯いてしまう。
彼に嫌われたら…なんて考えていると、
シ「もし困った事があればいつでも言って下さい。私で良ければお手伝いしますから。」
穏やかな顔でそう言ってくれる彼にキュンとしてしまった。
み「じゃあ、いつもお願いするかもしれないですよ?」
少し上目遣いで彼の顔を見ると、
シ「はい。いつでも。」
少し照れた様な表情で答えた彼にもっと興味が湧いてきた。