N.K.s story
No.3
…やっぱり少し柔かな表情に見える…

そんな類さんが口を開いた。


類「…16(歳)にしては落ち着いている。周りも見えているし、センターを任されても謙虚な姿勢は崩さない。」
菜緒「え?あ、ありがとうございます。」
類「…俺の16(歳)の頃とは雲泥の差だ。」


口元を少し緩め、そう言った。


菜緒「どんな高校生やったんですか?」


そう尋ねると、少し目を細め


類「…現役の女子高生アイドルに聞かせるような話じゃない。」
菜緒「…そんなに悪い事しとったん?」


視線を類さんの顔に向けそう聞くと、一度視線を私に向け、また前を見ながら


類「…どうかな?褒められる学生生活は送ってないのは確かだ。…さ、もうすぐ移動する時間だ。」
菜緒「え?は、はい。」


立ち上がった類さんに倣い、私も立ち上がる。


楽屋に向かう彼の後ろを歩きながら、話しかける。


菜緒「あの、」


足を止めて振り向く類さん。


菜緒「また…また話し相手になって貰えます?」


彼の目をしっかりと見てそう伝える。

すると、多分だけど笑いながら、あれ、笑ってるよな…


類「…こさかなが万全で仕事が出来るなら、な。」
菜緒「ホンマですか?」


ベストアンサーや。しかもあだ名で呼んでくれとるし。

笑みを堪えるのに必死になる。
そんな時、


類「…条件がある。」
菜緒「え、な、何ですか?」
類「…他のメンバーがいる時以外でな。基本的にメンバーとコミュニケーション取るのは慎の役目だ。」
菜緒「どうしてそうしてるんですか?」


そう聞くと、


類「…単なる人見知りだ。」
菜緒「ウチと一緒やん。」
類「…かもな。ただ、日向坂46のメンバーはグイグイ来るのが多い。少し人との距離感がおかしい。」
菜緒「…ですね。」
類「…それが人気の要因の1つだろう。だが、俺には必要ない。」
菜緒「そんな事あらへん。マネージャーさんも大事な日向坂46のグループの一員やし。せやから仲良くなりたいんです、類さんとも。」


そう言うと、小さく息を吐いて


類「…こさかな。」
菜緒「何ですか?」
類「…少なくとも俺は君らのために働く事を誇りに思っている。」
菜緒「あ、ありがとうございます。」
類「…だから今まで通りのスタイルで仕事をさせて欲しいのだが。」
菜緒「…分かりました。」
類「…そう、」
菜緒「ただし、」


類さんの言葉を遮り、続ける。


菜緒「…他のメンバーより特別扱いしてくれるんやったら。」


そう言って彼の顔をジッと見つめると、

彼が私の頭に手を乗せ、


類「…既にこれだけ話をしている時点で十分特別扱いだと思うが?」
菜緒「…足りへん。」


そう言葉を発すると、彼は頭に乗せていた手をポンポンと動かし、


類「…こさかなじゃなく小悪魔だな。」
菜緒「…そんな事あらへんもん。」


頬を膨らませ不満を示すと、


類「…明日はグラビア撮影だったな。」
菜緒「はい。」
類「…慎が付く予定だったが、俺が付く。それで良いか?」
菜緒「は、はい!」


返事をすると、彼の手が私の頭から離れ、再び楽屋へと身体を向けた類さん。


私は彼の隣に並び、前を見ながら


菜緒「…ウチ、類さんの事もっと知りたいです。」


そう言うと、


類「…変わり者。」
菜緒「そんな事ないです。」
類「…俺に興味がある人間は十分変わり者だ。…さて、もうすぐいつも通りで頼む。」
菜緒「…はい。ウチらだけの秘密ですね?」
類「…ああ。さ、帰る支度を急げ。もう他のメンバーは準備出来ているだろう。」
菜緒「…どうですかね。」



戻るとまだ準備が出来ていないメンバーばかり。



ため息をつく彼に思わず笑ってしまった。


ただ、その後ひなのの発言のせいでメンバーに色々問い詰められたのは別の話。


菜緒「…2人だけの秘密やもん…。」

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■筆者メッセージ
リハビリ的に書いたものですが、とりあえずひと段落。

どうもhinataです。

なかなか書けてないですが、今後もたまーにふらっと現れてみようと思います。

昨日は(今日になってたけど)棚加さん、hikaさん、イヴさんのツイキャス聴いてました。

ごめんなさい、途中で寝てしまいました…もう夜更かし出来ない…46時間TVとかまたやられても見てられないわ…

ではまた
hinata ( 2019/06/16(日) 06:34 )