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『ただいま〜』
「おかえり」
『タク、ちゃんと掃除した?』
「勿論だよ 怒られないようにしっかり片付けたよ」
『偉いなぁ〜 ちゃんと綺麗になってるやん』
そう言って彼女は私のことを抱きしめる。
最近お気に入りだと言う香水の甘い香りが僕を包む。
1日は退屈である。朝ゆったりと寝床から起き上がり、気ままな時間に朝食を食べる。
そのまま昼下がりまで寝続け、昼食を食らう。
いわば食っちゃ寝の生活の毎日だ。
こんな堕落した生活をしていていいのだろうか?
そう考えた時もあった。
若い頃は外を駆け回り、大きな空に届くのではないか、そう考えながら手を伸ばしたこともある。
しかし、いまとなってはこの生活も悪くない、と感じることもある。
『今日の晩ご飯はちょこっと豪勢やからな?期待しとき?』
彼女がいるからだろうか。