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「…食い過ぎだろ…。」
『そんなことないよ〜!』
片方の手にお好み焼、もう片方にたこ焼き、指先でりんご飴を持ち、肘にかけたビニールにはじゃがバターが入っている。
『運動部だとエネルギー必要なんだよ?』
「もう引退してるからそんなにいらないだろ、動いてないのにそんなに食べたら…」
『うるさぁーい! とにかくこれでいーいーの!』
まるで小学生のように駄々をこねる丹生。ぴょんぴょんジャンプする姿がなお小学生に見えてくる。
…こういうところは昔から変わってないっけ。
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「そんなに食べれるの?デブになるよ?」
『うるさーい!ハルキはそんな心配しなくていいの!』
「やーい!アカリのおでぶー!」
『言ったなあ〜 待てこらハルキ〜」
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『なに笑ってんのさー!」
「いや、小学生の頃からずっと変わってないなって思ってさ。」
『そう…だね…。」
また目を逸らし、僕に背を向ける丹生。
一体どうしたのだろうか。
『あ!そうだ!恒例のアレ、持ってきたよ!』
「お! さすが丹生じゃん」
『へっへーん! じゃあいつもの場所で今年もやろっか」
そう言って彼女はカバンから線香花火を取り出した______。