夏祭り
4
「…食い過ぎだろ…。」

『そんなことないよ〜!』


片方の手にお好み焼、もう片方にたこ焼き、指先でりんご飴を持ち、肘にかけたビニールにはじゃがバターが入っている。


『運動部だとエネルギー必要なんだよ?』

「もう引退してるからそんなにいらないだろ、動いてないのにそんなに食べたら…」

『うるさぁーい! とにかくこれでいーいーの!』


まるで小学生のように駄々をこねる丹生。ぴょんぴょんジャンプする姿がなお小学生に見えてくる。

…こういうところは昔から変わってないっけ。


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「そんなに食べれるの?デブになるよ?」

『うるさーい!ハルキはそんな心配しなくていいの!』

「やーい!アカリのおでぶー!」

『言ったなあ〜 待てこらハルキ〜」

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『なに笑ってんのさー!」

「いや、小学生の頃からずっと変わってないなって思ってさ。」

『そう…だね…。」


また目を逸らし、僕に背を向ける丹生。

一体どうしたのだろうか。


『あ!そうだ!恒例のアレ、持ってきたよ!』

「お! さすが丹生じゃん」

『へっへーん! じゃあいつもの場所で今年もやろっか」


そう言って彼女はカバンから線香花火を取り出した______。

緑髪 ( 2018/12/03(月) 23:37 )