堕落
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密売所に入ると昨日と同じ朝鮮人の李とポン中の沢田がいた。
仲村は挨拶をして宅配の電話を待った。
李はシャブを使用してる気配は無い。沢田はやっているだろう。
李は面白い奴だ。自分の国である韓国の話を良くする。
一様は留学のビザで日本語学校の生徒として日本に来ているようだが学校には一切行ってないようだ。
今の日本と韓国がそれほど紙幣価値が変わるとは思わないがやはり日本の円は韓国のウォンよりはるかに高いらしい。
そして韓国ではシャブの密売で捕まれば日本の刑法等とは比べ物にならないくらい重いようだ。
それに李は日本語も結構上手い。会話するのには全く困らない。

李と仲村がたわいも無い会話をしていると沢田は「ちょっとトイレ行ってきます」と言って部屋を出た。
少し経ってもトイレからで戻らない。小便にしては長い。
まさかトイレでシャブをやっているのではないだろうかと思いながら10分ほど待っていると目をギラギラにした沢田がトイレから出てきた。
間違い無い。この馬鹿は仕事中にもかかわらずシャブを放り込んだらしい。

その時、李の携帯がなる。
李はメモに練馬区〇〇とパチンコ店名と白色ワゴン車、1g35000と書き電話を切った。
李はそのメモを仲村に「仲村サンココ分カル?」聞いてきた。
そこのパチンコ屋はさほど遠くない。スクーターなら5分かからない距離だ。
「分かりますよ」
「沢田今大変。仲村サン行ッテ来テクレ」
別に仕事内容など昨日と一緒だ。
仲村は分かったと言って李からシャブ入りの封筒を渡され密売所を出た。

スクーターに乗りパチンコ屋まで向かう。
シャブの密売などホテルか何処かの公園か駐車場である。仲村も外国人密売人から買っていた事がある。
ようは一緒でソレらしいと思えば向こうから寄ってくるものである。
仲村はスクーターでパチンコ屋の駐車場に入りぐるっと一回りして警察のようなものがいないか確かめた。
実際に警察の内定が入っていて私服警察いても仲村にわかる訳が無いが一様は怪しい車がいないか見回りしてから白いワゴン車を探した。
仲村がキョロキョロと探しているとシャブの客が気づいたのだろう。
白いワゴン車から降りてきた。どう見ても普通の主婦である。とてもシャブをやるようには見えない。
覚せい剤はこれほど社会に浸透している恐ろしい薬だと改めて思う。
例の如く主婦と仲村は目が合いお互いに小さくうなづく。
こいつに間違いない!目が合い無言のうなずきである。
仲村は主婦の近くによりお金を受け取るとポケットからシャブ入りの封筒を素早く渡してスクーターを走らせパチンコ屋の駐車場を出た。
そして密売所に帰ろうと向かっていた。
マメ屋の仕事といいシャブの密売といい。ヤクザの仕事は何と単純で簡単でお金が儲けられるんだろうか。こんな仕事を何年もやっていると普通の仕事など馬鹿馬鹿しくてやってられなくなってします。


密売所まで戻ると電話で必ず鍵を開けるように言わなくてはならない。
シャブの密売だから当たり前なのかもしれないが仲村は電話をして密売所に入った。

沢田は例の如く携帯電話をさわり携帯電話の鉄人とかしていた。
もうこうなるとその日の仕事は沢田ではなく仲村ばかり任せられホテルや駐車場、など周り密売を繰り返した。
何でもそうだ。セックスでも泥棒でも数をこなすと成れて来る。
シャブの密売もなれてくると恐怖や罪悪感は全くなくなる。
その間、沢田は携帯電話に取り付かれていた。

11時過ぎ最後の宅配を終え、密売所に帰る途中に仲村は高山にシャブを買わせてくれるように電話した。
「ご苦労様です。仲村ですが今朝言った話しなんですがもう直ぐ仕事終わるんですが少しだけシャブを買っていいですか」
「まあソレの件は開門の若頭にも確認取ったんだが絶対におっさんがやらないという条件なら許可でたからいいぜ」
「本当ですか!兄貴!」
「誰が兄貴だよ。ただ自分では絶対にやるなよ。成田の兄貴なんか変だったらオッサンの小便まで取るって言ってるからな」
高山はそう言うと笑った。
「大丈夫です。絶対にやりませんので」
「絶対にやるなよ。やったらシャブの密売はクビだからな。沢田は自分で食ってどうしようもないからオッサンは絶対にやるなよ」
「絶対にやらないので安心してください」
仲村は高山との電話を切るとココロに電話をした。
仲村にとってはココロとのオマンコのほうが楽しみである。高山の説教などどうでもいい。
「もしもしココロちゃんオレだけどあと1時間から来れるか?」
「本当に電話来たから驚きました・・・今から1時間後ですか・・・」
「そんなに嫌がらないでくれよ。マブネタ入ったんだよ」
シャブをやりたい者にとってこのマブネタは禁句である。ウソでも極上やマブネタと言われれば虫が騒ぎ仕方が無い。
もちろん仲村も自分で言っていてシャブをやりたくて仕方が無い。
あと少しでオマンコを出来ると思うといい年の中年がチンポの先からは少量では有るがに我慢汁まで出ていた。
「・・・どこに行けばいいんですか?」
「ココロちゃん、今どこなの?」
「池袋の近くです」
「だったらタクシーでいいから練馬区のエンペラーてラブホテルに来てよ。それで部屋に入っててホテル付いたら電話するから」
「わかりました」
仲村は電話を切り密売所に向かった。

密売所に付くともう直ぐ12時と言うこともあり宅配はもう無かった。
李は封筒に13000円を入れて仲村に渡した。
「ボスカラ聞イテマス。イクラ欲シイノデスカ?」
「03g。注射器ポンプは1本ください」
仲村は絶対にシャブはやらないと決めた。女に使い変態をしたいだけなのだ。03ならココロに思いっきり食わせて終わる量だ。抜道の妻の仕事は休ませればいい。どうせ明日も店番は仲村である。
「5000円デOK」
「そんな安くていいんですか!」
高山は何と良心的なのだ。仕入れがいくらかは知らないがだいぶ安くしてくれている。
仲村は高山にお礼の電話を入れて密売所を出てホテルではなく自宅に向かった。

自宅に帰りアユミと1ヶ月間変態を繰り返していた大人のオモチャをバックに詰めて仲村は期待と下心を胸に自宅を出てホテルに向かった。
ホテルに向かう途中ココロに電話した。
「今どこだ?」
「エンペラーてホテルの105号にいます」
「わかったもう少しで付くからな」

迎夢 ( 2013/08/11(日) 03:51 )