堕落
02
悪いものだとは思ったが、まさか覚せい剤だとは思わず仲村は怖くなりシャブを引出しにしまいベットに潜り込んだ
大変なものを買ってしまったという恐怖心と、会社をクビになったとという現実の不安から仲村は自分と戦っていた
もし警察にバレて捕まったら大変だシャブなんか捨ててしまえと言う自分と、悪いものだと分かっていて2万円も出して買ったんだぜ、嫌な事忘れるんだから一回ぐらいやってみろと言う自分が頭の中で戦っていた
何時間くらい自分自身でかっとうしていたのだろう気が着けば浅い眠りについていた。
途中何度も起き、寝ているのか夢の中なのか分からないまま寝ていた。

長年のサラリーマン生活だろう6時30分には目覚まし時計が鳴らくても目が覚める。
いつもなら、会社に行く準備をするのだが今後しばらくはその必要ない。昨日は不安の中、ほとんど熟睡もしていない。とりあえずは仕事を探さなくてはいけないシャブなんかにかまっている場合ではない。
しかしこの先、どうすれば良いのか?職業安定所に行ったところで大した学の無い中年に再就職があるとは思ってない。仲村はやるせなくなり寝巻きのまま冷蔵庫からビールを出した。
いつもなら歯を磨きをしてヒゲを剃り、会社に行く準備をするのだが寝起きのままビールを飲みだした。
睡眠不足のすきっ腹にビールと言う事で、すぐ酔いが回りだす。3本目を飲み終えるとすっかり酔っ払い寝てしまった。しかしこんなマズイ酒で気持ち良く酔えるハズもなく1時間もすれば空腹で目が覚めた。
オレは何をしているんだ?このままではアル中になってしまうではないか。仲村は心の中でそう叫んだ。
しかしどうすればいいんだ。今さら肉体労働でもすればいいのか?それともコンビニでバイトでもすれば良いのか?そんなことやってられるか。仲村はまた冷蔵庫からビールを取り出した。
またビールを2、3本飲むと睡眠不足と空腹ですっかり悪酔いしてしまった。
「馬鹿野郎、何が大事な書類だ。オレの人生と書類どっちが大事なんだ」
仲村はそう叫ぶと大声で泣き出した。中年のハゲかかったオッサンが叫びながら泣いている。
しばらく泣くと昨日の薬を思い出した。
「何が嫌な事を忘れる薬だバカ野郎」
仲村は引き出しからシャブを出した。
「オレは麻薬なんかやらねー。、素人童貞のままこれを飲んで死んでやる」
炙れと言われたシャブを口に入れ飲めば死ねると思ったのだろう。仲村は悪酔いでおかしくなりシャブを口に入れビールで流し込んだ。口の中は味わった事の無いシャブの物凄い苦味でいっぱいになった。
仲村はこれで死ねると思い。泣きながら布団にもぐった。

これで死ねると思い布団にり今までの人生を振り返っていた。
しかし死ぬどころか徐々にアルコールが体から抜けて行く、体が軽くなっていている。


迎夢 ( 2013/07/31(水) 10:18 )