黒の力
ベストエイト決定戦はすでにメンバーの絡み(予選、バラエティ等)で組まれていた。
そして、三組目がバトルフィールドに現れた。
その二人は、小嶋真子と岡田奈々だった。
「奈々。」
「真子。」
二人は互いの名前を呼ぶと、制御端末に手を伸ばす。
『変身』
·「ストライクベント」
「超変身」
龍騎の火炎攻撃をドラゴンフォームとなったクウガがそのジャンプ力を活かして避ける。
「こいつを倒さないと先にはいけない。」
「落ち着かないと。」
バトル選抜あるあるといっても良いのが、まるで何かにとりつかれたように闘争本能の塊になってしまうメンバーがいるが、今がまさにその状況だった。
「こいつを倒して、より上位に!」
「真子。」
クウガはアルティメットフォームへと変化したが、その目はブラックアイ、つまり闘争本能の塊、劇中の言葉を借りれば、戦うためだけの生物兵器となってしまった。
「去年、私もそうなった。あのとき指原さんが助けてくれた。今年は、誰かを助けたいって思った。今がそのとき。絶対、真子を助ける。」
そのとき、デッキが輝きを放った。
デッキからカードを引くと、龍騎のマークが二つ入ったファイナルベントカードが彼女の掌中に存在した。
·「ファイナルベント」
リュウガの契約ドラゴンとドラグレッダーがやってきた。
二体のドラゴンの咆哮と火炎攻撃と共に二段ライダーキックを炸裂させ、クウガは消滅した。
「第十四位、仮面ライダークウガ。小嶋真子」
「ありがとう。もう一人の私。」
奈々は再び、ラビリンスに入っていった。