エピローグ
あれから
ハイパー・ブライト全面戦争。
あれから三年が過ぎた、とある日の午後8時。相棒の行きつけのバーにやってきた夫婦は、カウンターに座っている男の元へ。
その男はいつもの白いスーツではなく、珍しく黒いスーツに身を包んでいた。


「お、来たな」

「三年も経っちまったよ」

「見舞いにも来ねえって。いや、むしろ颯らしいな」

「お前は不死身だろ、だからこの約束の時まで待ったんだよ」

「どうだかね、それよりお前の女、随分と色気がついたじゃねえの」

「あの時はありがとうございました。今こうしていられるのは鴻上さんのお陰です」

「いやぁ、俺は当然の事をしたまでよ。あ、それより、約束だからな。こいつを注文しねえと」


淳はこのバーで最も高価だというカクテルを注文した。
全て淳の奢りという約束もある。


「そういや、淳の家庭はどうした」


「李苑は今ごろどうしてるのかね。まぁ、あいつなら嫁いだ先で上手くやれるだろ」

「お前の娘だしな」

「仮のな。あ、あと島崎も出ていっちまったよ。どこに行ったのかって聞いたら、達哉の会社だぜ?そこの社員と結婚して、また首輪増やしてやがる」


「ぱるも結婚したんですか、やっと楽になれた気がする」

「同性愛者でもあったしな」

「いちいちツッコミ入れるの面倒でしょうがないですから・・・」

「赤が俺、緑が淳、達哉は青か」

「いや、黄色だと。で、今の旦那が青らしい。色はどうでもいいけど、外す気無ぇのか、あいつ」



カウンターに置かれたカクテルを一口飲むと、二人は目を合わせ、その味を楽しんだ。
淳が言うだけあって、確かな味わいであった。


「じゃ、淳の家はお前と美瑠の二人だけか」

「だと思うだろ?ところがな、思わぬ状況になっちまった」

「何だ、また居候か?」







ー3年前、退院後ー

(久しぶりの我が家だぁ・・・おし、ちと元気に入ってみっか!)

深呼吸をすると、淳はドアノブを握り、笑顔で元気に入っていった。


(ただいまー!待たせたな、美ぃぃい!?)

(あ、帰ってきた、おかえり!)

(なんで七瀬が出てくる!しかもバスタオルで!)

(そんなんええやん、うちもバスタオルやし)

(お前もかよ!)

(まあまあ、早よ入って)


なぜか七瀬が家にいた。美瑠と一緒にバスタオル一枚だけを巻いた姿で、平然とテレビを観ていた。


(七瀬、家なら探してやったろ・・・そこに住めよ)

(嫌、ここにする。ななは淳くんの嫁2号やもん)

(嫁って何だ、しかも2号って)

(美瑠が1号、七瀬さんが2号。うち七瀬さんの事好きになったから、一緒に住んじゃおうって事に決めたの)

(なんだそりゃあ・・・)






「というわけだ、だから今、俺の家には嫁が二人いる」

「美瑠、西野と組んだな」

「せっかく二人きりかと思ったら、むしろ面倒になっちまった・・・」

「いいんじゃないか?賑やかだろ」


「ああ、賑やか過ぎてうるさいくらいだ・・・」

壮流 ( 2016/10/26(水) 21:23 )