思わぬ拾い物
「あぁひがぁはぃぁあらぁめえぁぇ!!」
「あぁ!おぉ、おお!!」
細いウエストがポキッと折れそうなほどに玲奈は腰を振り、颯は下から突き上げた。
無我夢中の二人は20分も続けてこの状態の為、周りなど気にしていなかった。彩がそばで見ているにもかかわらず。
「あはぁぁいぃぃい!いぃくぅ!」
「おぁあ、あっ!!・・・」
玲奈の中に大量に放出。颯は男性器を抜くと、玲奈を起こそうとした時、そばにいた彩に気づいた。
「彩、いつの間に・・・」
「いつまでもシャワー浴びひんから気になって来てみれば、まだ足りひんのかいな」
「・・・そういうつもりじゃなかったんだが、今じゃ言い訳もできんな」
「夜食作っとくから、早よシャワー浴び」
「悪い・・・おい、玲奈、起きろ」
どうしようもない欲情を打ち明けた相手は目を覚ますと、動けないと首を振った。
また腰が折れたと嘘をつくのか。颯は玲奈をお姫様抱っこで風呂場へ連れていくと、今度こそ自分もシャワーを浴びた。
「玲奈、そっち向け」
「え?なに?」
「・・・また髪の毛薄くなったか?」
「ちょっと!ひどくない!」
「冗談だ、昔から髪の毛が元々少ないのは知ってるからな、気を遣っただけだ」
「気遣いじゃない!」
この時間が幸せ。今の自分がどれほど善き友に支えられているのか。颯は玲奈の頭を優しく洗っていく。
そんな颯とは裏腹に、危機が迫るものもいた。
淳の元へ戻る途中の遥香は、嗅ぎ付けた小室の部下に足止めを食らっていた。深夜だからこそ助かったというべきか、大通りの道路でカーチェイスをして逃げ回っていたため、時間が取られている。
このままでは追い付かれてしまう。遥香は立体駐車場に入り、フルスロットルで車を上らせた。
「行け!早く!」
「あの小娘を逃がすなよ!」
遥香は部下達の車が過ぎ去った後、エンジンを入れて全速力で駐車場を降りた。これくらいで油断してはいけないと思っていたが、案外効果的であった。
別の出口から出ると、遥香は元の道へ戻ろうと車を出した。しかしその時、車の前に四肢を広げて行く手を遮る女性が。
遥香は慌てて車を停めた。
「危ないじゃないですか!」
「ごめんな、淳くんのとこで働いてる女の子やったから、どうしても停まってほしかってん」
「え・・・何で知ってるんですか」
「なぁ、淳くんのとこまで乗せてって。あ、うちの名前は西野七瀬。よろしく!」