最終章
血しぶきに倒れる
「邪魔すんなぁ、ガキぁ!」

「ヤクザはそりゃ強いだろうけどよ、でもな」


清水の振った刀をしゃがんで避けると、手と頭を押さえた。

「おっさんに負ける俺じゃねえよ!」


「ぐぉお!」


達哉の頭突きが炸裂。右手を頭に持ってきて、刀は左手に持っている。達哉は左手首を思い切り踏みつけると、刀を蹴った。


「なんだ、よく見りゃおっさん手負いかよ」

「鴻上に負けといて、こんなどこの馬の骨とも知らないガキにまで・・・」


「淳に勝てるわけねーだろ。颯はそれ以上に強いかもしんねーけど」

「ぐっ!足をどけろ!」


「病人は大人しく寝とけ!」


「!!・・・」


達哉の蹴りが清水の顔に炸裂し、清水はその場で気絶してしまった。



「強い・・・!」

「淳の相棒ってことは、颯くんの相棒でもあるんやろ?あの子も色男やわぁ」


「くそ、使えないジジィめ・・・」

「掃除の手間が省けてよかったじゃねえか」


あとは淳と小室。互いにボロボロで、長くは持たない。仕留めるなら一発だ。


「鴻上!」

「小室!」


二人は同じタイミングで駆け出した。


「この!」

間一髪。淳の顔をかすめただけでナイフは空を切った。

「おらぁあ!」

「ぐはぁ!・・・いい、加減!」

「ぶはぁ!やったな!」

「うおぉがあ!」


小室に殴られた淳の返しは、腹部への膝蹴りである。


「くたばるまで!」

「ぐぅう!」


腹を押さえて膝をついた小室の顔に、さらに蹴りを打ち込み、淳は確実に追い詰めていく。
だが、小室もまだ終わる男ではなかった。


「しぶとい・・・」

「まだ、まだ・・・」

「もう、一丁・・・」



互いに踏み出そうとした、その瞬間。二人より先に踏み出し、間に入った影が。

「な!?」


小室のナイフを持つ手を押さえている。その人物は、家にいるはずの七瀬であった。


「七瀬さんが!」

「七瀬!何してる!離れろ!」


「いや!ななが押さえてるから、小室を早くやっつけて!」


「な、七瀬・・・まさかまた会えるとはねぇ」


「ななは二度と会いたくなかったけど、颯くんと淳くんのためにここまで来たんやで!」


「颯と、鴻上・・・ふふ、君もそっちの味方をするっていうのか。それなら・・・」


「きゃ!」

ナイフを持つ手をほどくと、小室は悪魔の笑みを見せ、ナイフを振りかぶった。


「!!」

「や、め・・・・・・」














凶刃は七瀬の背中を刺し、すぐに抜かれると血しぶきを上げ、赤く染まっていた。
七瀬はその場に崩れるが、淳がその前に手を引いて抱き締めた。しかし、悪魔はまだ仕掛けてくる。隙だらけの淳の横腹目掛け、ナイフを向けた。

「ぐぅ!」

「へへへ・・・」


「・・・くぅ!」


力を振り絞り、七瀬を抱いたまま後ろに下がると、一緒に倒れた。


「へへ・・・やった、やった・・・僕の勝ちだよ、鴻上・・・・・・」

壮流 ( 2016/10/23(日) 21:35 )