第1章 〜無線LANと始業式〜
第4話
質問1 あなたの好きなラーメンの味は?

@とんこつ

Aとんこつ醤油

B塩とんこつ

Cとんこつ



質問2 もしもピアノが弾けたなら?

@弾く

A弾くかもしれない

B気が向いたら弾く

Cよく見たらピアニカだった



質問3 なんとなくわかるんだけど書けない漢字は?

@挨拶

A孕む

B糊

C蒟蒻



・・・これで何がわかるというのか。

 無意味に近い20個ほどの質問に答え、やがて画面に職業が表示された。

"あなたに適した職業は料理人です"

「なんか冒険しなさそうなのになったぞ!」

『うわ、料理人とか逆にレアだわー』

 電話の向こうの夏樹は笑っている。夏樹もこれからログインするらしいので、ゲームで会おうと言って電話を切った。



 何になっても文句を言うつもりはなかったが、料理人とは。っていうか、どうやって戦うんだよ。

 それから四頭身くらいのキャラクターの髪型、目の形や色を決めた。自分に近いものを選んだつもりだが、似ているかどうかはわからない。

 すると、ムービーが流れ始めた。たくさんの人が二つの陣営に分かれて戦っている。剣と槍が交わり、火や水の魔法が飛び交う。勇者軍と魔王軍の対立を現わしているようだ。画面が切り替わり、とある村に移った。そこに一人の少年が立っている。ベースは白いコック服だが、腕と脛の部分が鎧に覆われているという一風変わった出で立ちのセンシ。画面が黒くなり、白抜きの文字で「あなたが勇者軍を勝利に導くと信じて」と大きく表示され、ムービーは終わった。

「なんかいいじゃん」

 こうして料理人「リオ」は、勇魔戦争オンラインの勇者軍のメンバーとして誕生した。もし魔王軍で始めていたら、少し違ったムービーが観られたのだろう。



 最初は小さな村から始まり、簡単な説明を受ける。初期装備を確認すると、料理人らしく武器はフライパンだった。こんなものだろうと思っていると、「ナランの骨」というアイテムを持っていた。何の効果があるのかはわからないが、SからEに分けられているレア度のうちBランクだった。なかなかいいアイテムなのではないだろうか。そういえば、最初にランダムでアイテムが与えられ、運が良ければレアな物が手に入ると夏樹が言っていた。



とりあえず売らずに持っておくことにして、理央は村の中をうろうろしてみた。が、すぐに飽きて村の外に出ることにした。やはりゲームといえば戦闘。最初の村の周りなんて、どうせスライムみたいなモンスターしかいないだろう。夏樹が来るまで、少しでも経験値とお金を稼いでおこう。HPが減ったら村に戻って回復すればいいし。

 理央の思惑通り、村の外には外見でザコとわかるモンスターがいて、フライパンでも十分に勝つことができた。
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■筆者メッセージ
感想よろしくお願いします。
ふぁりあ ( 2017/02/07(火) 00:29 )