1章
HERO
次の日彼女は普通に教室にいた
(今日は何もなかったんだ)
その思いは一瞬で裏切られた
机には誹謗中傷の落書き
彼女のカバンは泥だらけだ
無性に腹が立ち壁を殴った
(山下が何をしたっていうんだよ)
「痛っ!」
「魁斗、お前まで馬鹿になったのか」
隣で笑ってる康平が羨ましかった
「お前血出てんぞ」
大輝が珍しく心配してきたが
康平が事情を説明すると
「魁斗も実はバカなんだ!!」
すぐ笑ってバカにした
俺は保健室に行くことにした

「失礼します」
「んー?誰かなぁ〜」
保健室の坂口先生だ
この人は本当にノリが軽い
「お、心優しいヒーロー君!
どうしたの?
もしかして人でも殴っちゃった?」
「色々間違ってます」
でも、多少あってるのかもしれない
普通の人なら
自分が標的にならない事を
第一に考える
その点で考えると
僕はヒーローなのかもしれない

「はい!これで終わり!」
「ありがとうございました」
席を立ち保健室を出る前に
先生が呼び止めてきた
「これ、昨日の彼女から」
タオルを投げられた
(この先生は本当適当だよ)
しかし、それだけでは終わらなかった
「標的は簡単には外れないよ…」
正直何を言ったか聞こえなかった
だから聞き直した
「ん?何か言いました?」
「ヒーローはいかなる時でも
正義を貫くんだよ?」
そう言われて部屋を出た

教室に戻ると
昨日と同じ授業だった。
呼び出されて
そんなに俺が嫌いか?とまで聞かれた
そんな時でも僕は彼女を見守った


■筆者メッセージ
ここからもっとヒートアップします!
また明日楽しみにしてください
ぺけぽん ( 2017/06/16(金) 00:14 )