1章
聞こえない叫び声(エミリーside)
テスト期間は
いつも教室で勉強している
いつもと違うのは、机が汚いことだ
雑巾で拭いてみてもやはり取れない
諦めて勉強をしていると
窓から黒木くんが見えた
いつも通り吉田くんと2人で帰っている
(前助けてもらったのに
お礼も言えてない)

ーガラガラー
教室の扉が開いた

「可愛い子が1人で何してるのかな」
(前の男だ…逃げないと…)
「逃がさないよ」
逃げようとするが壁に追い込まれる
(どうしよう…誰か助けて…)
「こんな時まで喋れないなんてね」
(助けて欲しいのに声が出ない)
「残念だけど誰もこないよ?」
「ねぇ、俺と遊ぼうよ?」
(嫌だ…逃げたい…助けて…)
「また、だんまりかよ!」
髪を掴まれ、地面に倒された
その時いくつかの机が倒れた
(んっ!助けてよ)
怖くて本当に声がでない…
男は私の上に乗り
シャツのボタンに手を伸ばした
必死に抵抗したが、
どんどんボタンは外され
胸が露わになった。
「可愛い下着つけてんだね?」
鳥肌がたった
(やめて…助けて…黒木くん!)
急に体が軽くなった
(黒木くん!)
黒木くんが
男の喉元を掴み持ち上げている
(ダメ!死んじゃう)
「やめて!!」
渾身の声で叫んだ
黒木くんが私の手を取り
走って教室を出た
(いつも助けてもらってばっか)
(ありがとうって伝えなきゃ)

保健室についた
黒木くんがシャツを貸してくれた。
(ありがとうって言わなきゃ)
「ありが…とう…ございます」

今日の自分がとても嫌になった
助けて欲しいのに声がでない
でも私にも味方はいるんだと
少し気持ちは軽くなった気がした

■筆者メッセージ
エミリーsideですね!
本人は全力で声を出したのに
微かにしか聞こえないっていう
この本人の意思との違いとかを
表していけるんで
2つの視点で書くのは続けていきます!
本当に読んでいただきありがとうございます。
是非感想にアドバイスなどもください
ぺけぽん ( 2017/06/17(土) 02:14 )