もし主人公が女テニの部員だったらT
H練習試合 〜ダブルス1
審判「ゲームカウント、4−0! チェンジサービス」

団体戦の勝利は確定してるとはいえ、
これまでの3連勝の勢いをかき消すようなワンサイドゲーム。

守屋・米谷「・・・っ!」

星野「こんなことある??あの2人が」
大園「信じられん・・・」
早坂「いや、2人の調子はいつも通りなんだけど、
   相手がただただ強い」

土田「タイムお願いします!作戦会議だ!」
初めてタイムを使った土田監督。
2人をなんとか鼓舞しようとしている。

欅中の小林・今泉が完璧な試合運びを見せ、
守屋・米谷ペアは最初のゲームからじりじりと、
そしてついに圧倒的な差を広げられてしまったのだった。

守屋「もうどこに打っても取られちゃう、」
米谷「どうすればいいの、」

坂道学園で早坂の次、2・3番手を争うような2人が
滅多打ちにされる事態。
どこに打っても返され、取れないボールが返ってくることに
精神的に参ってきている様子。


土田「お前らに1つだけアドバイスできるとしたら・・・
   
   
   負けてもいいから死ぬ気で1ゲーム取りに行け


   ただしこれからポイント取られて落ち込んだら即棄権な」


なかなかの思い切った作戦の指示。

与田「なんか表情変わりましたよ米谷さんと守屋さん」
星野「いつもだったらさらにネガティブになるのにね、何かあるかも」


小林「あと2ゲームだね!このまま行こう」
今泉「ゆいぽんのおかげだよ、今日は特に冴えてるよねー」
一方の欅中のベンチは明るい様子。

相手のラケットの角度とフォームで返球場所の予測がつくという小林。
小柄ながらネットプレイが得意な今泉にそれを暗に伝え、
ポーチに行くというプレイスタイルだ。
守屋と米谷の打球はほとんど今泉に捕まってしまっている。

菅井「順調ですね、このまま何もなければいいですが・・・」
長濱「大丈夫ったい、いつも通りのペースで来てる」

平手「(いや、相手のペアの雰囲気、何か違う・・・)」

守屋「しょうがない、まずは100球粘るよ、米さん」
米谷「はーい」

100球粘ると宣言した守屋。
さっそく得意のジャンピングサーブを放つ。

小林「(コーナーだ!あたり)」
守屋のフォームから今回も完璧にコースを読んだ小林。
十分に構え、タイミングばっちりのレシーブで
そのまま前衛の米谷の脇を抜こうとする。

米谷「んっ!」
小林「(取られた?)」
素早く反応した米谷がそのままネット際に落とす。

今泉「読んでました!」
今泉が飛び込んできて米谷のボレーを返球。
そのまま頭上を越したが・・・

守屋「もらいっ!」
米谷の後ろに走りこんできた守屋がスマッシュを放つ。

小林「(あっちに飛びそう・・・だめだ取れない)」

相手コートの逆コーナー深くにスマッシュが突き刺さり、
守屋・米谷がポイントをゲット。

守屋「米さん、ナイスプレイ!」
米谷「いいスマッシュだったよ」

守屋「次はこれっ!」
今泉「カットサーブですか、、これでどう?」

次はアンダーカットでバウンドの小さいサーブを打った守屋。
今泉はそれにさらに回転をかけてドロップで返そうとしたが・・・

米谷「やっぱりねえ、今度こそ決まった」
今泉「読まれてたの??」

米谷がそれを見込んでそのままポーチに出る。
案の定ボレーを決め、2ポイント目もゲット。


衛藤「先生何をアドバイスしたんですか?
   やっといつもどおりになりましたけど」
土田「技術じゃないんだよ、あいつらに必要なのは「いつも通り」。
   相手が格上だと思うと必要以上に緊張して、
   そのいつも通りさえ出せなくなる」
衛藤「あっ、2ゲーム目も取りましたよ!」


米谷「あかねん、いいショットだったね」
守屋「よねさんがコース作ってくれたからね、そのおかげ」

早坂「やっと変な緊張から解けたか、問題はここから」
大園「えっ?まだ何かあるんですか?」


菅井「ゆいちゃんずが本気になった?」
平手「えー、久しぶりに見た」

*ドサッ

小林「リミット外さないとやばくなったね、ずーみん」
今泉「このままじゃ飲まれちゃう」


山下「パワーリストとパワーアンクル??
   漫画の世界だけだと思ってたんですけど、
   てか女子で付けてる人そうそういないよね??」
与田「ドサッって何なのドサッって」


守屋「さあ、あと何点とれるかな?」
米谷「やってみますか、」


長濱「いつも関東大会かしか外さんのに、まさか練習試合でとは」
小池「少なくとも守屋さん米谷さんが関東以上のレベルだってことやない?
   最初の頃と動き変わったもんなあ」


土田「(そうだ・・・強敵が相手のときこそ楽しむことを忘れるなよ)」



審判「ゲームセット、ゲームカウント3−6で小林・今泉ペアの勝利です」
「ありがとうございました!」


守屋「(泣)」
米谷「相変わらず負けず嫌いだなあ、まあ今回は私もちょっと悔しいけど」

土田「まあ、前回松村と秋元が挑んだ時には、終始あの重り付けて
   負けちゃってたからな・・・
   

   てかお前ら普通にあの本気の全国レベルのペアと
   打ち合いできるのかよ、凄すぎねえ!?」

守屋「はい??」
早坂「ああ、黙ってたけどあのコンビ、個人戦で全国ベスト16だから」


菅井「順調だったね、さすがゆいちゃんず」
今泉「守屋さんと米谷さんね、シングルスだったら負けてたかも」
小林「まあ今回はダブルスの経験勝ちということでね?」


クッキー ( 2018/03/18(日) 04:43 )