4. 混乱
プレゼント転売女子大生の末路


Mr.ゼロは赤井を納得させなければならないとなると獲物には条件がある。それは、犯行が明るみに出た時に世間一般的に見て自業自得だと言われるような女であること。赤井がやはりルックスのいい女はクソだと思うようなそんな女だ。Mr.ゼロがネットを使いそんな女を物色していると、丁度良さげな獲物を見つけた。
(マッチングアプリ要注意人物 アカウント名 H.M 飯やプレゼントを貢いで尽きたと見るやすぐに音信不通になる女)
まさに、赤井を納得させるにぴったりな金目的のクソ女を発見しMr.ゼロはほくそ笑んだ。

星野みなみ、都内某大学に通う大学四年生。大学に入学した当初は勉強もバイトも頑張ろうと一生懸命取り組んでいたのだが、みなみが変わったのは大学2年の時に友達に誘われたバパ活からだった。
(え、こんなに簡単にお金稼げるんだ…!)
これに味をしめたみなみはどんどんパパ活をするようになる。しかし、慣れれば慣れるほどもっと楽をしたいと思うのが人間というもの。
(こんな気持ち悪いおじさんとじゃなくて、どうせならそれなりの男の子と遊んでお金が貰えたらいいのに♡)
その発想で始めたのがマッチングアプリ。自らにいいねを送ってきた男の中からいい男を物色してはマッチして、関わりを持つようになる。男というのはちょろいもので一度好きにさせてしまえば
「みなみ、ルイ・ヴィトンのバッグが欲しいな〜♡」
「GUCCIの新作かわいい♡」
「ハリーウィンストンの宝石…憧れるなぁ♡」
こんなことをポロッとこぼすだけで男は必死に頑張りそれをみなみに貢ぎ出す。しかし、しばらくすればそんな無理は効かなくなるもので高級品のプレゼントは減っていくのでそうなれば用済み、連絡先をブロックして消えてく。そして、本当に気に入った高級品以外を質屋で売ってしまえばかなりの儲けになる。それに、みなみは本気の恋愛をしているわけでは無いので並行して数人の男から貢がれれば月で100万近く稼ぐことが出来たのだ。
こうなれば、勉強もバイトもバカバカしくなりこの生活に染まるようになっていくのは当然。大学でどんなに噂されようと孤立しようとこの生活を辞めるつもりはなかった。
(いいもん!私は幸せだもん!)
「さ、今日もいい男物色しーよお…とは言っても最近バレできたしな〜いいね来てるかな」
そんな独り言を言いながらアプリを開くといいねが1件届いていた。
(へへーん、また獲物発見♡これでまた稼げる〜!)
みなみはこのいいねを返してしまった。獲物は自分であるということも知らずに。
プロフィール写真は整っていたが37歳と書いてあったため、そこまで期待はしていなかったが実際に会ってみると歳を感じさせない美しい男、そして誰が見ても分かる高いスーツに高い時計、靴。みなみは大喜びであった。
「よろしくお願いします♡」
この男を逃してはならないと早速仕掛けていく。勿論、こんなことをしなくても逃げはしないのだが。
「よろしく」
にこりと爽やかに微笑んだ男の顔は美しいと表現しても違和感はない。その後、2人は夜景の見えるホテルで高級フレンチを堪能する。この時にMr.ゼロは一切仕掛けることは無くみなみに警戒心を持たせないためあくまでも紳士に振舞った。
「車で送るよ」
この言葉に誘われまんまとみなみは車に乗り込んだ。見たことの無いような高級車、何の車かはみなみには分からないが車高の低いスポーツカー。おそらくこれがポルシェかフェラーリなのか、それは分からないがとにかく興奮が収まらない。
(この男なら数千万、いや、数億むしり取れるかも!♡)
「みなみちゃん、ワインも沢山飲んでたしこの車割と揺れちゃうから酔い止めとお水どうぞ」
紳士で理想的とは思ったもののみなみには金しか見えていなかった。それでも、この男を信用しきっていたみなみはそれを飲んでしまった。

みなみが目を覚ますと高級なスポーツカー…が味気ないワンボックスカーに変わっていた。
「え…」
慌てて周囲を見渡すと男、男、男と7人ほどの男しかもその中に先程一緒にいた紳士はいない。
「どういうこと…?」
みなみは戸惑ったが、もっと恐ろしいのは乗っている男達全員から放たれる殺気。これはただ事では無い。
「久しぶりだね、みなみちゃん」
そんな風に運転席の男に言われたがみなみはその男に覚えはない。
「久しぶりって…誰よ」
「やっぱりそうかい、俺はあんたにせがまれてブランド品を沢山プレゼントした挙句捨てられた男だよ、小島って覚えてないか」
直近の男達なら流石に覚えているが、彼らは1.2年前に騙した男で大量の男を騙しては捨てていたみなみは本当に覚えていなかった。
「…………」
「だってさw まぁいいやな、地獄に堕ちろクソ女」
「何する気…?私を犯す気?」
「そんなぬるい事しねえよ、一旦降りろお前」
これがキモヲタ集団であればレイプ…なんてこともあったのだろうが、そもそもみなみが選んだイケメン軍団、これがみなみをレイプしたところでそこまでのダメージはない。勿論多少嫌ではあったとしてもイケメンに腰を振って悦ぶただのメスにしかならない。そんな男達の報復は想像以上だった。車を降りると人気のない森の中
「ここで何する気なっ……うぐぅっえっ…!」
振り向いた瞬間お腹を殴打され、思わず呻き声をあげる。
「ちょっと…!こんなことしてただじゃ…ごぼぉっ…!!」
2発、3発、4発。みなみが声を上げる間もなくお腹に拳が次々と突き刺さる。
「うげぇっ…!がはっ…!おごぉっ…!」
拳が止まると、お腹を抑えて崩れ落ちる。
一人の男が髪の毛を掴み顔を上に向けさせると、その口からは涎がだらしなく垂れていた。
「無様だな…wだが、こんなもんじゃ終わらねえよ!!」
「いやぁぁぁ!!!!」
男達はみなみを組み伏せて馬乗りになると可愛い顔を殴りつける。
「てめぇが二度とこんなこと出来ねえようなツラにしてやるよ!!」
「ぶふぇっ…!ぎゃふっ…!ゆるじでっ…!こべんなざいぃ…!」
泣きながら必死に許しを乞うが、憎悪に駆られた男達に届くことは無い。
「ごぶぅっ!げふっ!がはっ!…死んじゃうぅ…!ホントに死んじゃうから…!」
何十発も顔だけを殴り続けた男達だが、その声を聞いてようやく我に返る。しかし、その頃にはみなみの可愛い顔はぐちゃぐちゃになっており、この女に貢ぐ男はもういないだろう。
「こ…んな…ひおいよぉ…」
顔の骨も歯も折れるだけ折れ、赤く染まった顔で涙を流すみなみに同情する男はいない。
「お前が積み重ねた悪事からすりゃこれでも足りねえよ」
そう言うと男達はみなみの服をビリビリに引き裂いてトランクに放り込み、また車を走らせる。
「な、なに…もうゆるひへ…」
トランクに放り込まれ、またどこかへ連れていかれることを察したみなみはここでもどうにかしようと許しを懇願する。
「お前が騙した男たちは俺たちだけじゃねえからなw 復讐をしたと皆に知らしめてやるのさw」
「そんな…」
また泣き始めるが、当然誰も許そうとするものはいない。そうこうしている間に辿り着いたのはみなみの通っている大学の前。深夜なので当然人はいないが、この男達に大学に連れてこられるなんて嫌な予感しかしないが、ボコボコにされたみなみに逃げる気力など残ってはいない。
「ゆるひへ…お願い…ゆるひへ…」
森の中と違い声を出されたら困るので引き裂いたみなみのパンツを口に突っ込み、トランクから引きずり出すと、顔を掴んで電柱に押し付ける。
「んーー!んーーー!」
その間に手の空いている男達が電柱にみなみの手を後ろに回して手錠をかけたら完了。全裸で大学の前に拘束されてしまった。
「んーー!んーー!」
どうせ許しを乞うていたのだろうが、無視して去っていく男達。こうして、星野みなみはバッチリと男達の制裁に遭ってしまった。翌日に発見された時には勿論数人程度に見られたくらいで済んだのだが、その数人から瞬く間に画像は内部で拡散されてしまい、みなみは大学に行くことは出来なくなった。評判の悪かったみなみはネットを見ても同情の余地なし、ざまぁみろといった内容ばかりでそこでようやく自分のやった事の最低さを理解したのだった。
因みに、制裁を担当した男達は当然捕まったのだが、復讐を自らの手でしたいと志願して事件を起こしていたため、誰一人としてMr.ゼロの存在を挙げるものはいなかった。また、マッチングアプリの履歴から多少怪しまれたものの、事件に関与した証拠もなく、みなみも壮絶な復讐劇のせいか記憶を失っており、前にデートした男のことなど覚えてすらおらず辿り着くことは無かった。

「と、まぁそんなところですよ」
「しかし…彼らが裏切れば君は危なかったんじゃないのか?」
「仮にそうだとしても無理ですね、私が独自に作成したツールでしか彼らとはやり取りしてましたから、そのデータは抹消しました。復元を試みたらウイルスに感染する仕組みになっていますし、顔も見てないのに私を告発することは出来ませんよ」
「彼らは完全に捨て駒ということか」
「彼ら自身はそう思っていませんがね」
「君にとっては私も捨て駒か?」
「とんでもない…赤井さんは、私と同じこちら側の人間ですからね」
この事件をきっかけに、赤井とMr.ゼロの計画がスタートしたのである。

■筆者メッセージ
更新しました。
今回の女子大生役は星野みなみにしました。
しかし、あくまでもストーリー優先でエロ要素が殆どなく、リョナ要素だけがある感じになってしまい申し訳ありませんm(_ _)m
そういう系が好きな方はそちらを、興味のない方はそういうストーリーの一部として楽しんでいただけたら幸いです。


こんな感じの事件はここだけなのでご勘弁を🙇‍♂️
(元々は選んだイケメンに犯されても復讐にならないと判断しました💦)
ブラッキー ( 2022/11/18(金) 03:52 )