Drop OUT
「この部屋じゃね?
1人だけ来てないのもおかしいよね。」
「ここで、最後だと思うし。
もな開けなよ。」
「これで、喧嘩になったらもう嫌だけどね。」
やちると友梨奈は壁にもたれて座り込んでいたが、騒がしくなったかと思うと2人の女の子の声が聞こえ、ドアが静かに開けられるとやちると友梨奈は2つのスマホで灯されたライトに照らされた。
友梨奈「愛佳と理佐か。
愛佳まで、巻き込まれたの?」
愛佳「うちだけじゃなくて、米さん、ずーみん、ねるもいるよ。
ってか、やちるくんひさしぶり。」
愛佳は友梨奈の問いに肩を竦めて困ったように笑いながら答えるとやちるに気付くと手を挙げて挨拶をした。
理佐「あの子が、礼儀正しい子?愛佳の握手会に来てたよね。
よく愛佳が楽しそうに話してくれたよ。」
理佐もやちるを見ると、ウインクをした。
友梨奈「ここは、なんのための建物か分かった?」
愛佳「わからない。けどみんな、ケンカをし始めた。グレてる子もいるしね。」
理佐「普段の鬱憤が溜まってるのに、こんな所に連れてこられたからね。
止める人も誰もいない。うちらも止めない。なんでもありだよ。」
愛佳と理佐は、言い終えると部屋を出ていこうとしたが、愛佳が部屋から出ていくと理佐はドアの前に立ち止まった。
理佐「うちも、なんでもありなら、あんたを潰すつもり。
1人だけ楽に人気になってさ…
目障りなんだよ…」
友梨奈を冷たく睨みながら言うと理佐は部屋から出ていった。
やちる「危ないね。
僕は平手さんと一緒にいることにする。
後で、施設も案内してあげるから、また少し眠ったら?」
やちるの言葉に友梨奈は頷きながらも考え事をするように下を向いた。