待ち合わせ
練習試合が終わって自宅に帰ると奏翔は、やることを済ませて眠ってしまっていた。
昨日、瑞穂とのやり取りのあと2人は連絡先を交換して、そのまま別々の家路をたどった。
朝早い時間なのに瑞穂からメールが届いていた。
【奏翔、おはよう。
うち、もう駅にいるんだけど一緒に学校行かない?】
とメールには書かれており、奏翔は喜びに表情を変えると急いで準備をし始めた。
2階から1階へといそいで降りていき歯磨きと髪のセットを少し時間掛けてやり、廊下を走って出ていこうとするとリビングにいた梨香に声をかけられた。
梨香「奏翔、そんな急いでどうしたの?
ってかご飯は?」
不思議そうな声を出して聞いた。
奏翔「いらない!
待ち合わせしてるからもう行くね!」
後ずさりしてリビングの外から梨香に顔を見せると笑顔で手を挙げて玄関を飛び出していった。
梨香は奏翔の様子にクスッと笑うと自分も学校に行こうと奏翔の朝ごはんにラップをかけて冷蔵庫にしまい自宅から出た。
瑞穂「走ることねーじゃん笑
奏翔、おはよ。」
走ってくる奏翔の様子を見ると瑞穂は笑顔で手を上げて奏翔の頭を小突いた。
奏翔は、少し笑顔になったが方向が違うはずの美愉がいることに気づくと顔を真っ赤にした。
美愉「面白いね。笑
奏翔おはよ♪あんたのせいで、昨日、瑞穂のノロケに付き合わされたんだからなんか奢ってよ?」
瑞穂「いや、のろけるもまだ付き合ったばっかだから。
言うの忘れてた、昨日うちに泊まったんだよ。」
奏翔「なんでもいいけど、早く行きましょうよ。
ふたりみたいに居残りさせられたらどうするんですか?」
奏翔は、2人の様子を見るとからかうように言うが、美愉に頭を叩かれ瑞穂におしりを蹴られて言わなければよかったと思った。