1st
雷と避雷針
奏翔は、皆の練習を隅に座って眺めていたが、程なくすると友香がこちらに向かって走ってくると息を切らしながら話し始めた。

友香「やっと抜けれたよ。とりあえず、奏翔くんに覚えてもらいたいことがあるからこのホワイトボードを見てくれるかな?」

友香は、ホワイトボードに今いる部員の名前を書き連ねていった。奏翔を除いてだが。

友香「ポジションについてだけど、かいつまんで話すから頑張って覚えてちょーだいね?

まずは2年生5人から、てちはPG【ポイントガード】簡単に言うとゲームメイクをする司令塔だね。

次、愛佳。愛佳はSG(シューティングガード)あの子はどんなところからでもシュート打てるしドリブルテクニックがすごいよ。」

友香はここで言葉を切ると、なにか質問はある?というふうに奏翔を見つめたが、奏翔が首を横に振ると又ホワイトボーに向き直った。

友香「んで、理佐はSF【スモールフォワード】攻撃にも入れるし、防御もできる優れものだね。

そんで、次が、美愉はてちと同じポジションでPG(ポイントガード)これについては後で説明するね。最後は瑞穂。瑞穂はC【センター】瑞穂については主にゴール下、外れたシュートを自分たちのボールにするのと、ダンクができるのはチームからしても大きいね。 」

奏翔「鈴本先輩と平手先輩同じポジションって言ったじゃないですか…もしかして、みんなほかの場所もできるってことですか?」

友香は奏翔の言葉を聞くと、微笑んでうなづいた。

友香「そうだね。正解。

てちと美愉は愛佳と同じポジションができるし、愛佳は、理佐と同じところができる、瑞穂と理佐は、あとひとつのポジションPF【パワーフォワード】ができるよ。」

友香は、ホワイトボードにそれぞれのポジションを書き記していくと、菜緒、友香、茜のポジションも書き記して奏翔の方に向き直った。

友香「うちは、愛佳と同じSG。茜は、PFで得点源として動いてくれてるよ。

小坂さんは、茜に聞いた話だと瑞穂と茜のポジションだろうなって思う。シュートのブロックがうまいのは驚いたけどね。」

奏翔は、ホワイトボードに書いてあるものをノートに書き写していた。

友香は、その様子を見るとしゃがんで奏翔と目線を合わせて、優しい声で話し出した。

友香「例え話だけど、雷には避雷針が必要だよね?奏翔くんにはみんなの避雷針になって欲しい。

うちら、雷の力を受け止めて最善の試合をして欲しいってことだね。桜蘭高校との練習試合では君にスタメン、ベンチとコートの中の選手の入れ替え、ゲームの展開の仕方を全部してもらうからね。」

奏翔は、その言葉を聞くと不思議そうな声を出すと、不安げに聞いた。

奏翔「顧問の先生にはそれは出来ないんですか?」

もっともな疑問であった、昨日も今の今までも顧問の先生というものを見ていないのだ。

友香「あの人は、そういうのが、苦手だからね。いつか、会えるよ!」

と言うと、奏翔の方を叩いて練習に戻って言った。



玲亜 ( 2019/07/12(金) 19:56 )