花言葉〜恋していいですか?〜







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July
13 自覚(男子side)
「いいのか。飛鳥ちゃんに会わなくても。」

「どうせ、姉さんといるし後でまた会えるもの。」

深夜の空いている国道を真っ直ぐに進みながら橋本は少し疑問をまじえた口調で僕に聞いてくる。ほんとは挨拶くらいはしたかったけど足がぴたりと止まってしまった。それにいざ話すとなると心臓が妙に高鳴ってしまう。

「最近さ可笑しいんだよね。」

「なにが?」

街灯の明かりがチラチラと光っている。そのせいか僕らの話でも自然と深い話が出てくる。
かつて、桜井が深川さんに告白するという時もこんな感じだったことを思い出す。今でもあの頃のことを思い出すと自然と笑みがこぼれてしまう。

「お前不気味だよ。」

「いや、つい思い出しただけ。」

「お前のことだからどうせまた勉強のことだろ。」

橋本は呆れたように前の景色を眺めてはぶっきらぼうに答えた。運転している僕でも流石に勉強のことを考えている余裕はない。現にそれとは真逆の考え方を今はしている。

「最近、飛鳥さん見てるとこう、心臓が痛くなるんだよね。」

静かな沈黙が車内に訪れる。なにかリアクションをしてほしいのに返事が返ってこない事が妙に心地悪かった。

「お前は中学生かよ。」

運転中なのにわき腹を小突いてきて車体が車線の外へと出てしまう。幸い深夜の道路だから多少ふざけていても問題はなかった。さっきの沈黙はどこに消えてしまったのだろうか。
ただ橋本はこれ以上この話題に踏み込もうとして来なかった。それは自分にとって興味が無いのかそれとも自分で考えろってことなのか。

スーパーにつくと早々に食べやすいものを選んでいく。明日の朝食は集まったはいいものを深夜に女の子に食べさせるものとなるととてもではないが品数に限りがある。

「なーにを真剣になって悩んでんだよ。」

「いや、飛鳥さんに何食べさせようかなって。」

こっちが真剣に考えているというのに橋本は飽きてしまったのか辺りをチラチラと見ながら僕の後をついてくる。結局、蕎麦かうどんかで悩んだ末に両方買うという結論に至ってしまった。

「妙に飛鳥ちゃんのことになると真剣になるな。」

買い物袋を軽々と回して橋本が呟いた。買い物袋の回す音だけが駐車場に響いてまるで僕ら二人しかこの空間に存在していないかのように思えてきた。ふと、空を眺めてみると頭上には夜なのに雲がゆらりと流れていく暗い空だった。もうみんなはお風呂から上がった頃かなと頭にぽつりと水面に水滴が落ちたたようにどんどんと波紋のように考えが広がっていく。邪な考えをしまいと首をぶんぶんと振って振り払った。

「なに女子たちのお風呂の想像してんだよ。」

「し、してないわ。」

駐車場に響く僕の声で橋本は人差し指を口元に当てて静かにというサインを出した。僕も急な子どもみたいな態度を示したことが恥ずかしくなって急いで車に乗り込む。

「お前、飛鳥ちゃんの事好きだろ。」


■筆者メッセージ
こんばんは。
沢山の拍手メッセージありがとうございます。
そして、久しぶりに投票してくださった方がいるみたいでした。ありがとうございました。

さて、三月も間もなく中間を迎えようとしてますよね。明後日にはもう一つの作品も更新します(断言)。こっちの方はある意味暗いのでこちらの対照的な感じになるのでそういうの嫌いな人は読まない方がいいかもです。w

さて、日曜日には握手会があります。どれくらいの方がいかれるのかわかりませんが僕も行かなければいけなくなったので行ってきます。w
桜鳥 ( 2017/03/11(土) 00:31 )