花言葉〜恋していいですか?〜







小説トップ
May
20 落とし物 Part1 (女子side)
「じゃあ、俺らもご飯買いに行こうか。」

橋本先輩が生田先輩を含めた3人を残して昼食を買いに行った。それぞれ食べたいものをそそくさと買いに行ってしまう中、私はどうしようかと数ある店の中からどれにしようか悩んでいた。みなみ達が食べてたドーナッツ美味しそうだったな。

普段はドーナッツなど食べたりしない飛鳥だったが、お腹が減って影響されたのか自然とその店へ足を運んでしまう。ショーケースに並ぶドーナッツを見ていると上の方に財布が置いてあった。

「誰のだろう。てか、ここに普通忘れないよね。」

誰のものなのか財布の中身を確認しようと広げる。中にはお札もなにも入っておらず、数枚のプリクラの写真が飛鳥の目に入った。そこにはムスッとした見覚えのある顔とその隣にはお嬢様みたいな顔立ちをした女の人が笑顔で写っている。慌てて他に名前の分かるものがないかと探してみると乃木大の学生証がでてきた。

『生田 雅晴』

やはり生田先輩のだったか。しかし先程の女性とはいったいどんな関係なのだろう。気になってもう一度そのプリクラを見ようとしたとき近くに生田先輩が通りがかった。

彼は何かを探しているかのようでもしかしたらこの財布を探しているのではないかと飛鳥は先程の行動を忘れ、自然と声を掛けていた。

「あのお探しものはこれですか?」

思わず声を掛けてしまったことに自分でもびっくりしている。あれ生田先輩の反応がない。
私は背伸びをしながら顔の前に手を振る。

「あ、ありがとう。齋藤さん。」

ようやく返ってきた返事に安堵する私。ひとまず会話が終わり、ドーナッツを選びに戻ろうと思った。

「齋藤さんはもうお昼ご飯決まったの?」

「一応、みなみ達が買ったドーナッツがおいしそうだったんで今日はそれにしようかなって。」

「なら奢るよ。さっき、星野さん達にも奢ったし財布も拾ってくれたから。」

そういう問題ではない。なにせ、今気づいたが先程手に取ったプリクラをそのまま持っていたのだから。気づかれたらまずいと思いながら、私はここは素直に生田先輩のご厚意に預かることにした。

選びながら飛鳥は先程の女性のことを考えていた。もしかして隠れて彼女がいたみたいな、だとしたらみなみの一方的な思い。そんなことを考えているとなんだか可哀想に思えてくる。選んだドーナッツを会計に運び近くで様子を見ていた生田先輩に視線を送る。すると、生田先輩はなぜだか暖かい目をしていた。

その時になぜだか体中が熱くなったようで飛鳥は隠れて手でぱたぱたと風を送った。会計を済ませ彼は席に戻ろうとする。お礼を言おうと隣に行こうとするが靴が歩きにくくて、彼に追いつくことができない。すると、彼はこちらをちらりと見て一瞬止まる。そして、また進んでいく。無気になって私は彼に無理矢理追いつこうとするもそこはもうゴールみたいで彼は橋本先輩と話していた。


■筆者メッセージ
こんにちは。
たくさんの拍手メッセージありがとうございます。
更新に日時があいてしまいましたね。申し訳ないです。
なんとか一次の試験が終わり少しだけ書く時間が増えたので頻度は増えるのかなと思います。
これからもよろしくお願いします。

返信メッセージ
Mさん
いつもありがとうございます。ようやくですよ。書くこと長すぎてここまでだらだらときてしまいました。申し訳ないです。
桜鳥 ( 2016/07/25(月) 10:37 )