花言葉〜恋していいですか?〜 - May
02 集合時間 (女子side)
ようやく大学にも慣れ課題もそこそここなしていたがどうしても自然科学論のレポートだけは苦戦を強いられていた。内容聞いてもちんぷんかんぷんだし、聞いててもさっぱり訳が分からない。そんなことを時計を見ながら思い、私は今日という日を迎えていた。
今日は蘭世達と出かけるというのに母親に課題が終わるまで外出禁止といわれる始末。分からない問題をじっと見つめながら刻々と時間は過ぎていく。

「終わるわけないじゃん。」

せっかくの友達と出かけるというチャンスをここで逃してしまうなんて。必死の思いで今この状況を打開する策を小さな頭で考えた。
思いついた矢先、レポートを片手に小さな鞄を背負い玄関へと向かっていく。すると、その音を聞きつけたのか母親がリビングから出てきた。

「課題終わったの?終わってないなら出かけちゃだめって言ったでしょ。」

「理科得意な子に問題教えてもらう約束をいまさっきしたの。だから、今から行ってくる。」

すると、母はため息混じりながら苦笑いをしながら私の出かける様子を眺めていた。

「じゃあ、帰ってきたらちゃんとできたか見せてね。できてなかったら独り…。」

「絶対解いてくるから!」

独り暮らしという脅し文句を遮り、私は玄関を勢いよく飛び出した。近くの小学校のバス停に着き時刻を確認する。

「まだ後10分くらいか。走ってこなくてもよかったな。」

呼吸を整えながらベンチに座り、スマホを開いて少し集合時間に遅れることを連絡する。
結局、みなみもショッピングに参加することになり私を含め女子4人で出掛けることになった。理由は分からないがみなみがどうしても行きたいとのことで行くことになり、そのおかげか四人のグループLINEができた。
バスカードを取り出そうと財布を鞄から取り出す。鞄を再び背負い直す飛鳥の目にレポートが挟んであったファイルが目に入る。ため息をつきながら、再び鞄を開け折れないように丁寧にしまっていく。

「みんな終わってるのかな。」

小学生が野球をやっているのか小学校からはバットの金属音が響いている。買い物行ってて課題なんてできるはずがないなと分かってはいたものの自分はなんて無茶な約束をしたのだろうと思っていると、メッセージで3人から訳も分からないスタンプが返ってきていた。思わずそれに私はにやけてしまい、できなくてもいいかと少し開き直る事にした。

まもなくバスがやってくる、とりあえず今日という日を楽しもう。小学校から金属音が大きく響いたとき私はゆっくりとバスに乗った。


■筆者メッセージ
おはようございます。
拍手メッセージありがとうございます。
また、2票はいっていたことに驚いています。

さて、更新方法が変わりましたがいかがでしょうか?
過去にMINAMIという作品がありその更新方法を参考にさせていただきました。
少しは見やすくなったと思うのでこれからも楽しんでみてください。
桜鳥 ( 2016/05/12(木) 07:41 )