花言葉〜恋していいですか?〜







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June
16 傘(男子side)
あきれてしまう中、彼女はそそくさと店の外へと出て行ってしまった。遅れながら外へ出ると雨がまだ降っており傘をささないと服がビショビショになるほどだった。
傘を取ろうとすると傘置き場に違和感を覚えた。

「あれ傘がない。もしかして盗られたか。」

この雨のことだから傘を盗っていく行くやつはいるだろうが、まさかの自分がその対象になるとはよりによってついていない。ここからバス停まで約10分。濡れる覚悟で歩き始め、すぐに服や眼鏡に雨粒の形が付き始めた。

「濡れますよ。」

突然、頭皮に雨粒の感覚がなくなる。紺色の傘が僕の頭上にあり、隣には飛鳥さんがいた。
傘は折り畳みなのか二人が入るには少々小さすぎて、彼女の肩が多少雨に打たれている。
そんなことは申し訳なくて僕は傘の外側に出ようとした。

「大丈夫だよ。バス停も10分くらいで着くし。」

「私もそこのバス停なんで大丈夫です。それに風邪ひかれると困ります。」

そういって再び僕を傘の中に入れてくる。必死に入れようとしているのか腕を伸ばして僕の頭上に傘を持ってこようとしていた。せめてもと思って彼女の傘を取り上げて彼女の頭上に持っていく。多少、僕の肩がててるくらいで二人を覆うらいの高さまでもってくることはできた。歩きながら二人にはぎこちない会話が生まれる。

「最近、みなみとはどうなんですか。」

「みなみさん。うーん、特に何もないよ。特に課題とかも自分でやっているみたいだし。」

本当に心あたりになるものは何もなかった、LINEをする程度で勉強も他の人から聞いていたりするし強いて言うならば飛鳥さんと同じように挨拶を交わす程度。

「本当ですか?蘭世は。」

蘭世に関しては今までとは変わりがなく、最近の様子だとテレビ電話で課題の添削をしたくらいが真新しい記憶として残っていた。

「電話で勉強を教えたくらいかなー。」

「生田先輩の進展って勉強を教えることが基準なんですね。」

期待している答えではないことに彼女は呆れているようだった。ただ本当にあてになるものがなく我ながら毎日つまらない生活を送っていることを自覚させられた。

「みなみさんのことどう思う。」

なぜ彼女はみなみさんをそんなに気にしているのだろうか。逆にその真意を聞いてみたくなった。お互いの肩と二の腕がぶつかり合いついつい意識してしまい、言葉に力が入らなくなってしまう。

「まあ可愛いですよね。私よりも素直だし、ザ・女の子って感じで生田先輩にピッタリだと思います。」

「ピッタリってどういうこと。」

目的のバス停につき足を止めた。僕は飛鳥さんの多少口調が荒くなっていることに気が付く。何かやけになっていることに理由でもあるのか、手の甲がぶつかり彼女の手からは冷たさが伝わってくる。

「相性がってことです、彼女にでもしたらいいんじゃないんですか。」

「本当にそう思ってるの。」

静寂ができ雨の音がより一層強くなったように聞こえた。

■筆者メッセージ
こんばんは。
たくさんの拍手メッセージありがとうございます。
いつの間にか6万人を超えていました。ありがとうございます。初めての作品でここまで読んでいただくのは大変光栄です。これからもよろしくお願いします。

返信メッセージ

名無しさん
何度も確認するほどとは大変ありがたいです。一応、この時間やたまに朝8時くらいに更新するのでその時間あたりになったら確認してみてください。あとは気分次第です(笑)これからもよろしくお願いします。
桜鳥 ( 2016/10/07(金) 00:28 )