花言葉〜恋していいですか?〜 - April (女子side)
26 じゃれ合い
変な疑惑をつけられそうになりながらも必死の弁解のおかげもあり、広まることなく終え私は安堵していた。こんな事で必死になるとは私もまだまだ子供なのだなと少し落胆する。

「おまたせ、ごめんね。先生が中々捕まらなくて遅くなっちゃった。」

「全然大丈夫だよー。」

大笑いした後だからか頬に少々赤みを帯びていた蘭世が飛鳥の背中に垂れながら答える。対して、飛鳥は蘭世に押しつぶされながらも懸命に帰りの支度をしようと踏ん張っていた。

「おーもーたーいー。」

押しつぶされまいと踏ん張る私だが背中でリラックスしている蘭世は私に全体重をかけているため、小柄な体格の私には支えきれずにいた。

「蘭世。そろそろやめとかないと飛鳥つぶれちゃうから。」

冷静なつっこみを入れる未央奈に私は救われた。背中から重みが消え一気に身体が軽くなる。満足そうな蘭世もちょこちょこと準備を始め、私より早く支度を済ませた。マイペースな子にここまで振り回されたら返ってすがすがしく思えるわ。そんなことを思いながら最後の筆箱を鞄にしまい教室をでようと外に出た。

外を見るともう夕暮れでもう一日終わってしまうのかと虚しい気持ちになっていた。これからは毎日のようにこのような瞬間が訪れ、あっという間に卒業をしていくそんなことまでついつい考えてしまう。そう考えると憂鬱になってくる。足が気持ち的に重くなりながらも何とか二人について行く。

「飛鳥ちゃん。ファミレスでいい?」

「いいよー。私そこまで食べ物こだわんないし。」

「そういえば、みなみちゃんはどうしたの?」

「みなみはたぶん外にいるだろうから歩きながら捕まえるよ。」


そういえばみなみの姿が見あたらない、未央奈自身は行方をしっているようでなにも疑問に思っていないらしい。たぶんいつものことだろうと言わんばかりの態度である。
長年の信頼関係はここまでも行動を読むことができるのであろうか、そう思うと少しだけ恐怖というものにかられそうになった。自分を分かられることが怖い、ちらっと蘭世を見ると目が合い首を傾げてきた。

「やっぱりあそこにいたか。」

堀の目線を追っていくとそこには星野の姿と飛鳥が会うことを避けてきた雅晴の姿があった。会話は遠くて聞き取れないものだったが表情を見る限り、お互い楽しそうに話している様子だった。なんだか星野は照れている様子で生田の方は少し困惑している様子にも見える。飛鳥は妙なそわそわ感がでてきていた。


■筆者メッセージ
こんにちは。
よんでいただきありがとうございます
更新時間が遅くなりました。拍手メッセージありがとうございます。
来週中には1章が終わります。プラス番外編が一話ですね。
もう少しおつきあいください。

桜鳥 ( 2016/04/29(金) 13:53 )