花言葉〜恋していいですか?〜







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April (女子side)
25 悪戯
ガイダンスも終わりもうすぐ夕方という頃。私は教室で一息つきながら自分が選択した科目が並んだ時間割を眺めていた。嫌々で入れた幼児教育の授業、蘭世も同じようで幼稚園の資格を取るために講義をとるとのことで私の中で孤独死することはない。
紙パックのストローを口に含めながら陽気に鼻歌を奏でる蘭世を横に私は二人しかいないシンと静まりかえった教室の机にもたれかかった。

「終わったー。もうなにもしたくないよ。」

「そんな、来週からほんとの講義なのに。飛鳥ちゃん早速さぼるの?」

「さぼんないよ、怒られるの嫌だし。私には土日という幸せな時間があるの。」

土日の幸せな時間をどのように使おうかと飛鳥はスマホで調べようと鞄から取り出す。すると堀から連絡がきていた。

『今日、みんなでどこかでご飯食べていかない?』

蘭世に内容を伝え了諾をもらい飛鳥は不器用ながらも返事を打っていく。堀からはこちらに迎えにくるみたいで飛鳥達は教室でゆっくりと堀を待つことにした。

「ねえ、結局ゴールデンウィークなにするの?」

「飛鳥ちゃんが前に服欲しいって言ってたからふく買いに行こうと考えてたの。」

そういえば蘭世にそんな相談をしたな。入学式前夜に緊張しながら電話したことを思い出し、私は急に自分の電話での失態を思い出し顔に熱を帯びた。蘭世も電話のことを思い出したのかやたらにやにやとしながら私の頬を突いてくる。それもまた私にとっては反撃する余地もなく早くこの時間が終わって欲しいことをただ顔を赤らめながら願っていた。

「詳しい話とかはご飯のときにしよう、堀ちゃんもいるし。」

「ねえ、そろそろ突くのやめてよ。痕着いちゃうから。」

注意しながらも突いてくる蘭世に呆れながらもだんだん慣れてきた飛鳥はこのような友達が今までいなかったためまんざらでもない様子で受け入れていた。友達という友達はいたのだが疑い深い飛鳥は警戒をしていたため表面上だけの友達。実際に遊んだりすることもせずただ話をするだけの友達、しかし今目の前には自分に好意をよせてくれる純粋な少女がいる。この子になら騙されてもいいから友達になりたい。そんなことを思うと自然に飛鳥から笑みがこぼれた。

「急に笑ってどうしたの?もしかして、飛鳥ちゃんって意外にM?」

「へ?笑ってた?」

間の抜けた私の声に大笑いする蘭世。その笑いにつられて私も大声で笑い出す。二人きりしかいない教室のはずなのに自然と私の心と体が温かくなった。


■筆者メッセージ
おはようございます。
毎日の拍手メッセージありがとうございます。
いくつか参考になる意見がでてきたのでとりいれていきたいとおもいます。意見をくださった方ありがとうございます。
本日も読んでいただきありがとうございます。

返信メッセージ
カズさん
アドバイスありがとうございます。BBQは夏休みとかないいですね。1章はまもなくですよ。ようやくです。4月だったので書くことが多かったので、5月からはもう少し早い展開になると思います。
桜鳥 ( 2016/04/28(木) 08:15 )