花言葉〜恋していいですか?〜







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April (女子side)
23 昼食
西野教授は資料を慣れた手つきで配り終え説明を始める。内容は一般的に言えば物理、化学、生物、地学の教養を順々に取り上げていくというもので、そのうちの生物は西野教授の担当外らしく生物担当である松村准教授にお願いするみたいだ。

「西野教授綺麗だよね。てか、絶対若いよね。」

みなみは集中力が切れたのか私たちに西野教授の話題をふってきた。確かに一体何歳なのであろう。大学生といっても、変わらない容姿であろう西野教授の姿に私は疑問を抱いた。
その疑問を同じようにもった学生が残った時間の質疑応答の際に年齢の質問を聞いていた。

「女性にあんまり年齢を聞くもんやないで、まあええけど。今年で28です。」

苦笑いしながらも年齢を答える西野教授。年齢を聞いてまたざわつく教室、私もまたその中の一人である。そのあとも成績やら出席などの質問が飛び交い、ガイダンスは終わり昼食時間になっていった。

私たちは未央奈と合流し食堂に行くも多くの学生で混み合っていたため、すぐに引き返しエントランスで昼食を取ることにした。

「最終日のくせに多すぎるよ、午前であっちいったりこっちいったり。午後のでたくないよー。」

「仕方ないよ、1年生なんだもん。未央奈ちゃん疲れないの?」

「未央奈は高校の時から人の話あんまり聞かないから、たぶんご飯のこと考えてたでしょ。」

ボケっとしている未央奈に話しかけるみなみ。確かに未央奈のテーブルの上には少し大きめの弁当が2つ積まれていた。これ全部食べるのかと思うと私は見てるだけでお腹がいっぱいになる。

「三人は同じ講義あったの?」

弁当の蓋を開け、中身を確認しながら堀は私達に問いかけてきた。飛鳥は自分自身の弁当を確認するとあまりの量の違いの多さに驚いていた。それは蘭世も一緒の様で蘭世は見た目と一緒で少食なのかおにぎりが一つとサラダがちょこんとあった。

「西野教授だっけ。その人の講義は一緒だったよね。」

「西野教授か。私のところでも物理の講義で取ることになってたな。」

シラバスをぱらぱらと片手でめくりながら器用に生姜焼きを口に運ぶ堀を見ていた飛鳥の視線の先に生田と橋本の姿が見えた。二人はこちらの存在には気づくことなく歩いていた。

「早くしないと生田また西野教授にからかわれるぞー。」

蘭世はその声に気づいたのか振り返って二人がいる事を確認し、挨拶に行こうとしていたので私は慌てて引き留めた。蘭世は疑問に思いながらも私の行動に素直に従ってくれた。

「飛鳥ちゃんなんで?」

「だって、生田先輩いるんだよ。あんなことあったし、気まずいじゃんか。」

周りは察したようで一斉になるほどという態度をとる。今の関係だと私はこのまま逃げ出してしまうから私は蘭世をあわてて引き留めた。この一週間廊下でたまにすれ違いそうになったりしたが慌てて私は物陰に隠れてやり過ごしていたのだ。そのおかげか周りからは変な目で見られる。


■筆者メッセージ
おはようございます。
数名の方ご意見ありがとうございます。まだ、受け付けてるのでご意見ある方はぜひ聞かせてください。
現在、5月のストックを書いてますが5月のネタがあまりないことに気づき焦りぎみです。
読んでいただきありがとうございます。
桜鳥 ( 2016/04/27(水) 08:34 )