花言葉〜恋していいですか?〜







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April (女子side)
07 馴初め
試着室に戻った飛鳥は、目の前の鏡に必死にスーツを脱ごうとする自分が写った。
何とも滑稽な姿だろうと思い、いそいそと元の服装に着替え試着室を出た。


「飛鳥、一応幼稚園の免許も大学で取れるみたいだから取っておくのよ。」

「えっ、聞いてないよ。無理だって私子供苦手ってこと知ってるでしょ。」

帰りの車の中突然の母親の発言に私は異議を唱えた。乃木大に関しては元々教育に精通していることは分かっている。昨日、奈々未さんからも話は軽く聞いていたがまさか自分も教育の現場に行くというのかと思うと鳥肌が立っていた。

「とは言っても治ってるかもしれないでしょ。」

母親が笑いながらに必死で抵抗しようとする飛鳥をなだめようとする。
よくよく考えてみて、ここの大学に入れてくれたのも両親のおかげだとわかっていた飛鳥は就職の幅を広げるため母親の条件を渋々受け入れた。

「いい人に会えるといいわね。ママもお父さんと大学で出会ってね。」

「何回も聞いたよ、その話。そのまま付き合って結婚したんでしょ。」

「そうよ、だから飛鳥にもそんな出会いがあったらいいわねって。」

「いいよ、私は。たぶんできないだろうし、結婚願望もこれきしもないからね。」

私は外の景色を見ながら、母親からの期待を一瞬にしてないものとした。
私だって彼氏がいたことはある。しかし、今そのことを伝えればまた変なアドバイスや質問などが飛んでくるのはわかっている。
しかも、付き合っていた男が真面なやつではなかったので言いたくはない。

「じゃあ、その時はお見合いね。」

冗談交じりにいった母親の声を私は苦笑いしながら、適当に返事していった。
帰ったら蘭世と連絡を取ることを約束していた私はどんな風に会話をすればよいのだろうと頭の中でイメトレを始めていた。


「もしもし、蘭ちゃんさまですか?」

「飛鳥ちゃん。そんな呼び方されたの初めてだよ。」

明日蘭世には正しいLINEと電話の仕方教えてもらおう。そう思った入学式前日だった。


■筆者メッセージ
いつも応援ありがとうございます。

なにか意見やアドバイスなどがあれば下さい。
桜鳥 ( 2016/04/11(月) 07:25 )