花言葉〜恋していいですか?〜 - April (女子side)
05 午前
「飛鳥、起きなさい。バイトないからってゴロゴロしないで。」

母親に布団を引きはがされそうになるが飛鳥は必死になって抵抗していた。4月になっても気温は低いままで布団のぬくもりが心地よかったからである。

「や〜だ〜。もう少し、このままでいさせてってば。」

「明日から大学生なのにいつまでも子供みたいなことに言わないで。」

「ママの子どもなんだからこんなこと言いますよ。」

そういって私は布団を再度かぶりなおした。やはり、布団というのは自分の居場所で一番心地居場所だ。

「そう言ってると、お父さんに言って一人暮らししてもらうからね。」

「えっ。それは勘弁して。」

飛鳥は一人暮らしという言葉に反応して跳ね起きた。一人暮らしをしたらきっと今よりもひどい生活になるそう思った飛鳥は一人暮らしには乗り気ではなかった。

「寒っ、だから布団から出たくないんだよ。」

「そんなこと言わないで、早くご飯食べて。あと、午後からスーツ取りに行くんだからそれまでに支度しておいてよ。」

そういえばと。飛鳥は一週間前に採寸した入学式用のスーツの事を思い出した。高校でブレザーだったためスーツを着るのは初めてでスカートがパッツパツだったのに抵抗があったのを覚えている。
どうせなら、明日の入学式行きたくないな。そう思いながら、飛鳥は洗面台へと顔を洗いに行った。


朝食も食べ終わり部屋に戻ってテレビをつけていると、朝のニュースで変質者の話題があがっていた。内容は偽善者を装って後々に暴行を加えるというもの、そんな人もいるんだと私は他人事のように聞き流しながらひとり椅子の上で考える。

「午後までなにしようかな。」

飛鳥の目に布団が飛び込んできたが、また寝てしまったら母親に言われるのが目に見えたためすぐにその考えを消した。
暇をつぶそうと部屋を見渡してもつぶせそうなものはなくこんなことならバイトに行っていればな。ふと、目に入った乃木大の入学パンフレット。
そこには笑顔であふれるおしゃれな学生たちが写真に写っていた。

「こんなの絶対にできないよ。そういえば、服買わないと。」

私はパンフレット見るや否、クローゼットの扉を開けた。あまりにも自分の服の持ってi
なささとセンスに改めて落胆した。
こんな服を着て行ったらきっと蘭世に笑われてしまうのではないかと急に不安になった。
私は少しでもおしゃれになろうとパソコンでファッションについて勉強し始める。

「こんな格好できないよ。うわ、これなんかあんまり変わんないのに何でこんな値段変わるの。」

少しでも理解しようとしたが全然オシャレについてわからなくなりますます落胆する一方だ。いっそのこと蘭世に相談した方が早いのではないかと私の頭に浮かんだ。


■筆者メッセージ
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桜鳥 ( 2016/04/10(日) 08:40 )