花言葉〜恋していいですか?〜







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April (女子side)
02 偶然の産物
この数日は新学期というのもあり各学校からの指定された教科書や参考書など取り扱わなければならない。レジ打ちの際には「進級おめでとうございます。」や「進学おめでとうございます。」などと声をかけてあげないといけない決まりになっているため、私はレジ打ちを他の人に任せ、奈々未さんとともに参考書の整理をしていた。

「そういえばね。うちの弟も乃木大なの。恭大っていうんだけど。」

「そうなんですか?」

「そうそう、だけど飛鳥ちゃんと違う学部だけどね。教育学部の理科。」

私にとってはちんぷんかんぷんな大学物理の参考書を本棚に並べながら私は奈々未さんの話を聞いていた。

「教育学部か。」

飛鳥自身、子供が苦手なため教育学部に進学することはまずありえないと決めていた。
しかし、奈々未さんの弟が大学にいるのなら私の大学生活を救ってくれるかもしれないと微かな期待を持ちはじめていた。

「まあ、女性恐怖症なんだけどね。」

「え。女性恐怖症?」

あまりにも衝撃すぎて思わず聞き返してしまった。先ほどまで持っていた微かなる期待がすぐに消えてなくなっていった。

「大丈夫よ。大学生活なんてすぐ慣れるわ。」

奈々未は最後の理系参考書をしまいながら笑いかけたが、飛鳥自身は納得していないようだった。

「だいたい、奈々未さんは年上だからそういうことが言えるんですよ。」

「あら、それは褒め言葉としてもらっとくわ。」

「皮肉ですよ。分かりませんか、私から見ればおばさんってことですよ。」

「そんな顔して毒吐くからお友達ができないんでしょ。」

奈々未にほっぺを両手で抑えられ、おちょぼ口される飛鳥。毎回のごとく奈々未に毒を吐いてはこのように弄られていた。

そんなやり取りをしているとき私と同い年くらいの女性が5冊くらいの漫画本を抱え、一枚の紙と本棚を交互に見ながら参考書コーナーをウロウロとしている様子が目に入った。何か探している様子だがここは声をかけるべきか、私は奈々未さんと目配せをした。

「あの、すいません。このリストにある参考書を探しているんですけど。」

こちらの存在に気付いたのか、その女性がおどおどした口調で訪ねてきた。その姿は女性というより少女のような感じで小動物顔をしたツインテールの女性だった。
奈々未はその女性が探しているリストを受け取り眺めていると不敵な笑みを浮かべ、リストを飛鳥に渡してきたのだった。

「飛鳥ちゃん。そのリストの参考書、そろえておいてね。飛鳥ちゃんの方が詳しいでしょ。」

「え。奈々未さん、どーいうことですか。」

驚いた私は慌ててリストの参考書を眺めた。そこには私の知っている参考書ばかりで、むしろつい最近大学入学の際にここで揃えた参考書と同じものであった。
上には乃木坂学院大学の文字が書いてあり頭が混乱状態にあった。


■筆者メッセージ
こちらの方はとりあえず2日に一話更新する予定です。

アドバイスなどがあればぜひお願いします。
桜鳥 ( 2016/03/28(月) 06:32 )