花言葉〜恋していいですか?〜







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April (男子side)
06 眼鏡
相変わらず、こういうところががさつなんだからなと思いながら、食器を洗っていた手を拭き眼鏡を奪い去った絵梨花を追いかけた。

「やめてよ。私生活に影響が出るんだから、返して。」

「オタクっぽくて嫌だ。雅晴は一応眼鏡はずしたら見た目普通なんだからさ。」

「なにその、僕がダサいみたいな。」

「うん、ダサい。」

ダサいと即答されてちょっぴり傷をつけられたのだがふと絵梨花の方を見てみるとギターなどの柄が描かれていた白色のパジャマを着ていてお前の方がダサいじゃないのかと言おうとしたがこれ以上めんどくさいことになりたくないと思ったのでいうのを止めた。

「だけど、これ親父のある意味形見だし。」

「だけど、いつまでもその見た目じゃ彼女もできないよ。」

まさか、ここで絵梨花の方から彼女の話が出てきたことに僕は驚いた。

「雅晴さ、女友達とかいないでしょ。」

まさに絵梨花のいうことは正論ではあった。思い当たる節に蘭世が浮かんだのだがすぐに女友達というよりかはよき後輩という点で消し去った。

「勉強ばっかりしてると、あっという間に時がたってずっと独り身だよー。」

「僕は恋愛するくらいなら数式とか見てる方がいいから、結婚願望も特にないし。」

「はー。何でこううちの弟は。お父さーん。」

亡き父の写真に向って、嘆く絵梨花をよそに机にあった眼鏡を取り返し僕は風呂場へと向かった。ふと考えてみると、相変わらず恋愛面に対してはつくづく縁がないような人生だったなと振り返ってみた。明日あたりにでも橋本に相談でもしてみようかな。

お風呂からあがって、髪を乾かしていると絵梨花が歯を磨きながらやってきて僕にチラシを一つ渡してきた。

「なにこれ。」

「あんはの、こんはくとのひらひ。みへみはら。」

歯を磨いていてなにを言っているのかわからなかったがチラシを見てみるとコンタクトレンズの種類が書いてあったチラシだった。

「それ、少しでも参考にしたら?」

そういいながら、うがいが終わった絵梨花は早々に去っていった。何やかんや気にしてくれてんのかなと思うと少し微笑ましく思った。それから、自分の部屋に戻って昼ぐらいから開いていないスマホを開いてみると蘭世から『今日、ありがとうございました。』とLINEが来ていたため、了解というスタンプで返しベッドに寝ころび今日渡された4つの資料を眺めた。

「どーしたものかなって、コンタクト高っ。」

ため息をつきながら自分の容姿と恋愛について考えるとこんなにも疲れるものかと思い。明日は橋本とか桜井にでも相談してみるかと思うとだんだんと瞼が重くなって暗い世界へと入っていった。


桜鳥 ( 2016/03/27(日) 17:59 )