花言葉〜恋していいですか?〜







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April (男子side)
08 理想
そこから、具体的な話し合いをして僕と橋本は必要な材料とスタンプを置く場所を決め、学食で昼食を取ることにした。
一方の桜井は書かせる題材をアトリエからとってくるとか言いながら大きな画板を背負って美術棟へと戻っていった。

「姉さんから言われたんだけどさ。」

「珍しいな。絵梨花さんがお前になにか言ってくるなんて。」

やはり橋本もそう思うか。雅晴自身もあまり絵梨花から指摘を受けたことがなかったため、このように相談するのも珍しいものだった。

「姉さんから、眼鏡取った方がいいんじゃないのって、いつまでも彼女できないぞって。」

「それで?」

「俺は、勉強ができればそれでいいって。」

なんだそれ。といいながら橋本は大笑いをしていた。どこにそんな面白要素があるのかは僕にはわからなかった。むしろ今なら、橋本に対して味噌汁を顔面にかけてやろうかと思うくらいイライラしていた。

「確かに生田は眼鏡取った方がいいと思うよ。そっちの方が印象いいし、もしかけるとしてももう少し似合う眼鏡をかけたほうがいいと俺は思う。」

先ほどの大笑いとは別に笑顔で意見を述べてくる橋本の様子に先ほどまでイライラしていた感情が収まりつつあった。

「生田、明日から先輩になるんだから一日だけでもイメチェンしてみたら。お試し期間ってことでさ。」

「なるほどね。そっか、その手もありかもね。」

「うん。一回眼鏡のない生活してみてどうしても必要だったらまた考えよう。」

同性の意見となるとこうも違うのかと関心しながら聞く雅晴に対し、橋本はカレーを口に頬張りながら冷静に考えを述べていた。
やはり、容姿や恋愛面に関しては橋本が一番あてになるであろうと僕は確信した。結局、買い物をするついでにコンタクトを買うことになり意見がまとまった。再びゆっくり昼食を取ろうと水でのどを潤していたとき橋本はいたずらっぽい顔で話題をだしてきた。

「彼女といえばさ、お前にぴったりの子いるじゃん。」

ん?そんな子いたか。と疑問に思いながら橋本を見つめた。

「蘭ちゃんは?」

その名前を聞いた瞬間、僕は先程飲んでいた水を吹き出しそうになっていた。
あまりに自分の考えていたことと大違いで雅晴は動揺を隠しきれなかった。

「いや、蘭世は確かに可愛いけど恋愛対象としては見れないよ。」

むしろ付き合った場合のことを考えると雅晴にとっては疲れ果て勉強できないことが容易に想像ができていた。

「確かに俺らから見ればそうだけど。そんな、選り好みとかしてると時すでに遅しだよ。生田はさ、彼女に対する理想像とかはないの?」

そういえば考えたことが無かった。自分の理想としている相手は誰であろうかと雅晴は考えていったのだが何せ約20年間恋愛に関して一切興味を示さなかったため一瞬にして思い浮かべることができなかった。

「うーん。今はわからないかな。意識してればそのうち出てくるんだろうけど。」

僕の悩んでいる姿を望んでいたのか望んでいなかったの橋本は笑いながら僕の回答をまじまじと聞いていた。それならばと雅晴は橋本に対して反撃をしようとした。

「そーいう橋本はどうなんだよ。女性恐怖症だろ?」

「うん。だから、俺がその女性に対して恐怖心が無かったらその人を好きになる。」

「自分の好みじゃなくてもか?」

「この症状が治ればそれはそれで万々歳だけどこれと付き合う限り選んでる場合じゃないからね。それに付き合ってから心が変わるってこともあるだろうしね。」

あまりにも正論が出過ぎていて雅晴の口からはこれ以上何も言い返すことができなかった。

「さて、落ち着いたし。そろそろ行くか。早くしないと間に合わないし。」

「そうだね。」

二人は食べ終わったトレイをもちながらをいそいそと食堂を後にした。


■筆者メッセージ
二つ一気に更新しました。

伏線をはっていたため話がどうも長くなってしまいました。
ヒロインの登場はもう少しなのでしばらくお待ちください。
桜鳥 ( 2016/03/28(月) 06:30 )