01
薄暗い地下室で眼鏡をかけた男がニヤニヤと笑いながら、研究に没頭していた。
「ふふふ。もうすぐ完成だ。」
彼の名前は松戸研児。
名前の通り、マッドサイエンティストである。
彼はクローン人間を作ろうとしているのだ。
動物実験は成功し、人間を作る為に、わざわざAKBグループの握手会会場の清掃員のアルバイトをして、床に落ちていた髪の毛を回収した。
正直、これは賭けである。
どのメンバーの髪の毛かは完成するまで判らないのである。
「さぁ、僕の目の前にその姿を現して。」
研児はバイオ液の中に髪の毛を投入した。
バイオ液は光を放ち、中で人型に変化し、さらに愛らしい姿に変化した。
「さぁ、出ておいで。咲良ちゃん。」
装置を開けると、宮脇咲良のクローンがその姿を現した。
「こんにちは。」
「実験は成功だ。」
虚ろな目の咲良と実験の成功とこれからに期待して興奮する研児はまさに対称的だった。
これから、二人の時間が始まるのだ。