初デート?へのお誘い
美音お嬢様とBは同い年、同じ学校に通っている。
Bは授業中に寝ていることが多く、その姿を見て、美音お嬢様は微笑んでいた。
美音お嬢様は運動の為に屋敷と学校は徒歩で通っている。
Bも同じ屋根の下に住んでいる為、当然徒歩通学だ。
美音お嬢様の我が儘から二人は手をつないで歩いていた時期もあった。
そんなある日、美音お嬢様に呼び出されたB。
「失礼します。」
「やっと来た。B、一緒に遊園地に行ってほしいの。」
「ゆ、遊園地ですか?人数は?日付は?」
「あなたと私。私は勉強兼ねてだけど、あなたは息抜き。」
「ですが」
「子供料金は今のうちよ。」
「は、はい。」
Bから了承を得て、内心ガッツポーズしている美音お嬢様だった。
出かける当日の二人の格好はお嬢様と執事ではなく、普通の小学生の格好だった。
しかも、お嬢様と執事を忘れる為に、タメ口で話すやお小遣い(一万円)を先に渡しておいてBが払っている体にするなど変なルールはあるが世間一般の彼氏彼女を意識して美音お嬢様のお出かけは仕組まれた。
「それじゃ爺や達行ってくるわ。」
「留守をお願いします。」
二人はでかけていった。
「ごゆっくり」
そんな言葉が扉の閉まった屋敷の中から発されていたことを二人は知らない。