恋仲編
彩の相棒は
正輝の目の前にあの男が現れた。

○○、彩のバンド仲間にして、彩の初めてを奪った最悪の男だ。

「よぉ、彩の彼氏君。」

「言っている意味がわからないんですが、僕に何か用ですか?」

「あいつが愛すべきは俺なんだ。彩の前から消えてくれないか?」

○○は口を動かしながら、正輝に手を出してきた。

「危ないな。」

正輝は元犬だけに相手の動きが読めてしまった。

「男なら拳で語ろうや。彼氏君。」

正輝は軽快なフットワークで○○の攻撃をかわし、腕を後ろにひねりあげた。

「いてて、てめー。」

「彩とあんたの関係なんて知りませんが、二度とうちの彩に近づくな。」

「くそ。覚えていやがれ。」

正輝に近づく女がいた。

「あのー。ちょっとお時間良いですか?」

「はい。別にかまいませんが。あなたは?」

「山田菜々です。」

「確か五期の寿々ちゃんのお姉さんでしたっけ?」

「はい。うちの妹がお世話になってます。」

「ここじゃなんなんで、どこか喫茶店でも。」

「はい。」

二人は喫茶店に向かった。

「それで僕に何か?」

「彩は元気にしてますか?」

「ええ。みんなのことを引っ張ってますよ。」

「彩と寿々のことをお願いしますね。」

「あっ、はい。」

正輝は、菜々から彩のことを託された。

彩と正輝の物語の終幕はまだ見えないが、そこから先は二人だけの物語。


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■筆者メッセージ
実際にさっしーも卒業するわけでなかったし、この物語はフィクションなので、歯切れは悪い気はしますが、ここで終わりとさせていただきます。
さようなら。
光圀 ( 2017/03/10(金) 15:07 )