自覚?
正輝は一人の少女の身から壁に追い込まれた。
それは休憩時間の一コマである。
尿意を感じた正輝はトイレに駆け込んだ。
その後を追うのはみるきーこと、渡辺美優紀である。
トイレをでた正輝の前に水着姿のみるきーが現れる。
しかし、正輝にとって彩以外は風景に同然の為、ドキッとすることはなかった。
「正輝君。ちょっと来てくれへん?」
「はい。渡辺さん。」
しばらく歩く二人、気になって正輝が口を開く。
「渡辺さん。どこに行くんですか?」
「あそこ、心霊スポットらしい壁やから、正輝君がどんな反応するんかと思って。」
「ただの壁にしか見えないし、何も感じないんですが。」
天然なところがある正輝は、壁に近づいてしまった。
「正輝君。」
「はい?」
振り向いたとき、みるきーはブラを外していた。
「渡辺さん。何を?」
「美優紀って呼んで。」
「なんでそんな格好しているんですか?」
「正輝君可愛いから食べてみたくなってもうてん。」
(嫌だ。彩以外とするのは、僕はってなんで彩のことが・・・)
「正輝君って彩ちゃんのこと好きやろ?」
(僕が彩を好き?さっきから感じていた感情って好きってことなのか?)
「今もきっと彩ちゃんのことしか考えてへんやろ?」
自問自答を繰り返す正輝とその正輝に近づいていくみるきーのところに当然のごとく彼女がやってくる。
「正輝。みるきー。お前ら何してんねん。」
(あれ?彩の匂いが感じれなくなった?いつの間に来たんだろう?)
「あぁ、残念。正輝君、釣りたかったな。何もしてへんよ。彩ちゃん。後はお二人でごゆっくり。」
ブラを着けなおすとみるきーは明後日の方に向かっていった。
「正輝。何もしてへんよな?」
「もちろんだよ。彩、日本に帰ったら話がある。」
「わかった。早く戻るで。」
(話ってなんやろ?)
二人の向かう先はどこなのだろうか?