博多物語 - 兒玉遥編
遥の秘密
兒玉遥。HKT48一期生、年9月19日生まれ、血液型O型などアイドルであることを除けば普通の女の子である。

そんな遥の秘密、それは宇宙人が蒔いたウィルスによって視力を蝕まれていっているのである。

宇宙人は遥の意識に語りかけてきていた。

「兒玉遥。君に我々のウィルスを植え付けた。このウィルスを抑えこむのは簡単なことだ。人間の三大欲求、睡眠、食事、恋愛を満たすことだ。君が二十歳になるまでに一つでも欠ければ君は視力を失う。」

48グループに入ったことで遥は盲目になるはずだった。

しかし、光圀によって処女膜は処理され、遥の欲は満たされた。

フライングゲットのドラマ部分の柏木由紀先輩のセリフ、欲望は満たされれば満たされる程に育つモンスター、そのモンスターを飼い慣らす必要がある。

遥もその一人だった。

光圀のことを一人の男性として好きになってしまったのだ。

光圀の立場を考えれば、遥の欲は満たされるが、自分以外に彼の愛が向けられることは耐え難いものだった。

そう思った遥は光圀の元に向かった。

「大塚さん。ちょっと良いですか?」

「あぁ、兒玉か。メンバーの面倒を見るのが俺の仕事だ。どうした?」

「ここじゃ、ちょっと。」

「あぁ、じゃあ移動するか。」

二人は相談室に入った。

「それで、どうした?」

遥は光圀に抱きついた。

「大塚さん。実は・・・。」

遥は、光圀の腕の中で自分の秘密を涙ながらに語った。

遥が言葉を紡ぎ終えると、光圀はハンカチを取り出し、遥に渡した。

「涙を拭いて。世界には不思議なことがいっぱいだな。俺で良ければ兒玉の、否、遥のワクチンになってやる。」

「ありがとうございます。」

「ちょっと上向いてくれるか?」

「はい。」

「目を閉じて。」

遥が目を閉じると共に光圀は優しい口付けを遥にした。

「大塚さん。これからお願いします。」

「あぁ。」

二人の物語が始まった。

■筆者メッセージ
急にお医者さんから貴方は盲目になりますって言われることはないと思ってもっとない宇宙人からの宣告。
光圀 ( 2017/02/11(土) 07:06 )