田島芽瑠編
偽装父娘
死にかけた光圀は、今回は父親になっていた。

ただ、二十一時を回っても帰ってこない娘に心配と苛立ちを感じていた。

光圀の妻にあたる人物は既に他界していた。

そして、光圀と娘である芽瑠は血のつながりがなかった。

玄関のドアが開く。

「ただいまー。」

「お帰り。今、何時やと思っているんだ。」

「夜九時だね。」

「こんな時間まで何をしていたんだ。」

「学校で部活だけど」

悪びれる様子もない娘と娘を思って怒る父。

その姿は対照的だった。

「そんなこと言って男の所に行っていたんじゃないのか?」

「パパ。嫉妬?」

「欲しいっていうからスマートフォン持たせただろ?」

「パパ、メールと電話なんだもん。スマホ持っているのに。面倒くさい。」

「心配するだろ。連絡ぐらいいれなさい。」

「何よ。私と血が繋がらないくせに父親面しないで。」

「何を言っているんだ。」

「パパ、A型でしょ。ママはO型だった。でも、私はB型だもん。血が繋がっていない以外にいいようがないでしょ。」

「知っていたんだな。近いうちにお前の口座を作って出て行くよ。早く寝ろよ。」

言うことがない光圀は、玄関を去り、寝室に逃げ込んだ。

光圀は朝が弱かった。

そんな光圀を起こす存在がいた。

その人物は、芽瑠だったが、その目元は腫れていた。

「芽瑠。なんで起こしたんだ?」

「ちゃんと話したくて。」

「あぁ。」

「もうしばらく、家にいて。血は繋がってないかも知れないけど、パパはパパだし。」

「わかった。良い男が見つかったら、パパに紹介するんだぞ。」

「昨日、パパが嫉妬したけど、私もママに嫉妬していた。」

「どういう意味だ?」

「私はパパが好き。」

「お、大人をからかうな。」

この世界の光圀は三十、芽瑠は十五という齢。

ハードルは高めだが、ありえなくはない年の差だ。

光圀は、逃げるように会社に出勤した。



光圀が帰宅すると、芽瑠の靴が玄関に置かれていた。

洗面所を開けると、風呂場に人のシルエット。

芽瑠が入浴中なのを確認すると、洗濯物を洗濯籠に入れる光圀だったが、ドアが開いた。

そこには、湯上りで上気した芽瑠が立っていた。

その姿に亡き妻の面影を見た光圀は、服を脱ぎ、芽瑠に襲い掛かった。

「パパ、私。まだ心の準備が・・・。」

無理矢理したセックスのときに抵抗を感じた光圀は、恐る恐る下を見てみると、鮮血が流れていた。

芽瑠は処女で、その処女を光圀が奪ったことをその鮮血が物語っていた。

「芽瑠。すまない。」

「だったら、もう私のこと、娘として見ないで。」

この物語が光圀の背中を押した。

■筆者メッセージ
長めの九つの命芽瑠ちゃんバージョン。
昔、博多訛りまじりの小説を読んだことがありますが、あえて共通語にしました。
光圀 ( 2017/02/03(金) 14:32 )