過労事件
光圀は自分の気持ちを振り切る為に仕事に精を出し、ある日悲劇が起こった。
光圀がめまいを起こし、倒れた。
「ち、千尋。」
「大塚さん。私はここにいるよ。」
光圀は、どんな夢を見ているのだろうか?
〇
「千尋先生。大学合格しました。」
「大塚君。おめでとう。」
光圀は高校生、千尋が大学生で、家庭教師の夢だ。
「先生、約束覚えている?」
「お願いを聞くってやつ?」
「そう。先生、俺のこと、光圀って呼んで。」
「光圀君。」
「やっぱり、こっちの方が良いや。先生とエッチする方が」
「え?ちょっと、だめ。」
「先生が魅力的なのが悪いんだ。」
光圀も十八歳、健全な男の子なのだ。
そんな子がお願いをしてきたら、警戒すべきだったのに、千尋は完全に油断していた。
あっという間にするすると裸にされてしまった。
「見ないで」
「先生、魅力的なのに彼氏いないでしょ?」
「そんなの関係ないでしょ!?」
「俺じゃダメですか?」
強引に脱がしたクセに眉毛を下げて、彼氏に立候補してくる光圀。
その姿に愛犬タバサを重ねてしまった千尋がいた。
「人のこと脱がすだけ脱がして、変なこと言わないで!私のこと襲う勇気もないくせに!」
それを聞いた光圀は千尋の唇を奪った。
「千尋さんがあまりにも良い匂いだから、最初の授業のときから我慢していたんだ。」
「名前で呼ばないで。」
「嫌だ。先生と生徒のままなんて。千尋さん俺と一学年しか違わないじゃん。」
胸への愛撫、口付けをする光圀、男性経験のない千尋の身体に電流が走る。
乳首が勃起していることに気がついた光圀は、ズボンとパンツを片手でなんとか脱ぎ、千尋はそっぽを向いた。
「千尋さん。入れちゃうよ。」
「お願い。それだけはダメ」
「千尋さん。俺の彼女になってください。」
光圀のぺニスが千尋の膣内に入れられた。
無理矢理された為、ノースキンである。
「痛い。痛いよぉ。」
「千尋さん。」
千尋の泣き顔に光圀は胸やクリトリスへの愛撫をし、彼女の痛みが和らぐのを待った。
痛みが和らいだ瞬間、ピストン運動を開始する光圀だったが、この世界の光圀は童貞の為、長く持たなかった。
「千尋さん。俺、出ます。」
「中はダメ」
「あぁ、出る。」
光圀が射精を終えたとき、千尋が口を開いた。
「興奮した?」
「千尋さん。俺、彼氏になって良いですか?」
「まずは、私の腕を解放して」
「は、はい。」
「もぅ、遠慮なく中に出して。危険日だったら妊娠しちゃうよ。」
そう言って、千尋は光圀を抱きしめた。
「一ヶ月も我慢させられたら、そうなりますよ。」
光圀と千尋は、既に思いを伝えていて、両思いだったが、千尋が、光圀の大学合格まで、待って欲しいと頼んだ為に、今日に至る。
「光圀の大学、卒業まで今度は結婚我慢ね。だから、明日からは、ゴム着けてね。」
「じゃあ、今日のうちに千尋の生の感触味わわせて。」
「もぅ、エッチ」
「お互い様だ。」
この世界の光圀の記憶はここで切れるのだった。
〇
九つの世界を巡り、光圀が生還した。
「千尋。」
「光圀さん。良かった。」
「ここはどこだ?」
「病院です。光圀さん、過労で倒れたんですよ。」
「そうか。でも、何で千尋が面会に?」
「倒れたとき、私の名前呼んでいたから、メンバー全員から行ってこいって。」
「心配かけたな。ごめんな。ありがとう。」
「先生、呼んでくる。早く退院できると良いですね。」
千尋が出ていった病室の天井を見ながら、光圀は自分の気持ちを再認識した。
(俺、千尋のこと・・・。)
しかし、相手が相手だけに気持ちを吐けないもどかしさが光圀を襲うのだった。