迷子に愛の手を
光圀は、莉乃と千尋の相手をさせられながら、仕事をこなしていた。
そんなある日、千尋に呼ばれた廊下にて、
「光圀さん。キスしてください。」
「急にどうしたんだ?穴井。」
「早く、誰かに見られたらお互い困るでしょ?」
(俺は・・・)
心に反して身体は、千尋に近づき、その唇に自身の唇を重ねる光圀がいた。
人の気配を感じて光圀は早々に千尋から離れた。
そして、周りを確認するが、誰もいなかった。
否、正確にはいたが、その人物はすぐさま物陰に隠れた為、光圀に気づかれずに済んだ。
その人物は、すぐに行動に移した。
「大塚さん。ちょっと来てくれる?」
「はい。」
その人物が怒っていることがなんとなく光圀は気づき、おとなしくついていくことにした。
通称、相談室まで光圀を誘導したその人物は、スマホを取り出し、動画を見せた。
「これ、どういうこと?」
「あぁ、ドラマの練習に付き合っただけだけど。」
「これ、さっしーに見せたら、大塚さん同じように言える?」
「目的は?口止め料はいくらあれば足りますか?」
「さっしーやちーちゃんだけが欲求不満だと思う?私だって、二十歳越えなの忘れたの?」
「キスをしろと?」
「セックスしないと、さっしーにばらしちゃうぞ。」
「多田は、初めてじゃないのか?」
「私だって、大塚さんのこと、好きなんだもん。初めては好きな人にもらってほしい。」
「通常一万円のところ、動画を消してくれたら、タダにさせていただきます。」
「抜け目のない人。」
多田愛佳に見られたことで、彼女の初めての相手に光圀は選ばれた。
「上は脱がさなくて良いよ。私ちょっと残念なところあるし、血が付かないように下だけ脱がしてくれれば」
パンツ姿になり、愛佳の下を脱がした光圀は、ローションを愛佳の入り口周辺に垂らし、塗りたくり、下準備をすると、全裸になり、入り口に自身のペニスをあてがった。
「最初は痛いから、深呼吸しないと大変なことになるぞ。」
「良いから、早く。」
ゆっくりと確実に愛佳の奥へとペニスを入れていく光圀、そんな光圀を見ながら、深呼吸する愛佳。
「思ったより痛くなかった。」
「動くよ。」
久しぶりの処女を相手にしたこともあり、光圀はあっけなくゴムの中に射精してしまった。
「すごい。ドクドク言っている。」
「愛佳、どうだった?」
「少しはさっしー達のこと、考えずにできたでしょ?」
「へ?」
「なんでもない。今度からは気を付けなさい。」
「多田、ありがとう。」
「馬っ鹿じゃないの。」
光圀は、鈍感で目の前のことに一生懸命な男のようだ。